判旨
上告理由が実質的に事実誤認の主張に帰する場合、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
上告趣意書における主張が、実質的に原判決の事実認定を争う「事実誤認」の主張である場合、適法な上告理由として受理されるか。
規範
刑事訴訟法(及び刑訴応急措置法)における上告審は、原則として法律審である。そのため、形式的に上告理由を構成していても、その実質が単なる事実誤認の主張に帰するものは、適法な上告理由として認められない。
重要事実
被告人側が上告を提起したが、その弁護人が提出した上告趣意の内容が、原判決の認定した事実関係を争うものであった事案。具体的にどのような罪名や犯罪事実であったかは、判決文からは不明である。
あてはめ
本件弁護人の上告趣意は、その内容を検討すると結局のところ事実誤認の主張に帰するものである。刑訴応急措置法13条2項によれば、事実誤認は適法な上告理由として規定されていないため、本件上告は適法な理由を欠くといえる。
結論
本件上告は適法な理由に基づかないため、棄却を免れない。
実務上の射程
上告審における「法律審」としての性格を明示する判例である。答案上では、上告趣意が憲法違反や判例違反等の適法な事由に該当するか、あるいは実質的に事実誤認を争うものに過ぎないかを峻別する際の根拠として用いることができる。
事件番号: 昭和26(れ)2120 / 裁判年月日: 昭和26年11月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認または量刑不当のみを理由とする上告は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人Aが、第一審または控訴審の判断に対し、事実の認定に誤りがあること、および言い渡された刑罰が重すぎることを理由として上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点)…
事件番号: 昭和25(れ)1702 / 裁判年月日: 昭和26年3月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当または事実誤認を理由とする上告は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人側は、原判決に対して量刑が不当であること、および事実誤認があることを理由として上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):量刑不当および事実誤認の主張が、最高裁判所…