判旨
公判調書に公開を禁じた旨及びその理由の記載がない場合には、その公判は公開された法廷で行われたものと推定される。
問題の所在(論点)
公判調書に公開停止の記載がない場合、当該公判手続が公開原則に則って行われたと判断できるか。旧刑事訴訟法下での判例が新刑事訴訟法施行後も維持されるか。
規範
公判の公開を停止した場合には、法はその旨及び理由を公判調書に記載することを要すると規定している(旧刑事訴訟法60条2項4号)。したがって、公判調書にこれらに関する記載がないときは、特段の事情がない限り、当該公判は公開された法廷において適法に行われたものと認めるべきである。
重要事実
被告人が物価統制令違反等に問われた事件において、公判手続が憲法上の対審公開原則に反するのではないかという点が争点となった。当該公判の公判調書には、対審の公開を禁じた旨や、その理由についての記載が存在しなかった。
あてはめ
本件において、提出された公判調書を確認すると、公開を禁じる旨やその正当な理由についての記載は一切見当たらない。旧刑訴法の規定を継承する現行法体系下においても、調書の記載は公判手続の適法性を証明する重要な証拠となる。記載がない以上、法が要求する公開停止の手続は執られず、公判は原則通り公開の状態で実施されたものと評価される。
結論
本件公判は公開された法廷で行われたものと認められ、手続に違憲・違法はないとして上告を棄却する。
実務上の射程
裁判の公開(憲法82条)に関する論点において、公判手続の適法性を公判調書の記載から認定する際の根拠として用いる。調書の記載の有無が実務上の判断基準となることを示す射程を持つ。
事件番号: 昭和26(れ)986 / 裁判年月日: 昭和26年10月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、最高裁判所に対し刑訴法405条所定の上告理由がないとして棄却された事案であり、実質的な判断枠組みや規範を示すに至っていない。 第1 事案の概要:被告人が刑法上の犯罪等により起訴され、下級審において有罪判決を受けたものと推認されるが、具体的な犯罪事実や経緯については判決文からは不明である。 …