判旨
憲法違反を主張する上告であっても、その実質が単なる量刑不当の主張に帰する場合には、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
憲法違反を形式的な理由として掲げつつ、その実質が量刑不当である上告理由が、当時の刑事訴訟法等における適法な上告理由として認められるか。
規範
上告理由として憲法違反が主張されている場合であっても、その主張の性質を実質的に判断し、単なる量刑不当の主張にすぎないと認められるときは、刑事訴訟法(当時の応急措置法を含む)上の適法な上告理由とは認められない。
重要事実
被告人側が原判決に憲法違反があるとして上告を申し立てた。しかし、その主張の内容を精査したところ、憲法上の問題というよりは、むしろ原判決の量刑が重すぎる、あるいは不当であるという点に主眼が置かれていた。
あてはめ
弁護人が主張する憲法違反の論旨は、その内容を検討すると実質的には量刑が不当であるという主張に帰結している。したがって、形式的に憲法違反という表現を用いていても、その実態は量刑不当を争うものであるといえるため、法律上の上告理由には該当しないと判断される。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
実務上、上告理由を構成する際には、形式的に憲法違反や判例違反を主張するだけでなく、その内容が実質的にも当該要件を満たしている必要があることを示唆している。量刑不当を憲法違反に仮託して主張しても、適法な上告理由とは認められないという「実質的判断の原則」を確認する判例である。
事件番号: 昭和26(あ)2708 / 裁判年月日: 昭和27年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張する上告であっても、その実質が単なる事実誤認の主張に過ぎない場合には、刑事訴訟法405条の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人側が、原判決には憲法違反があるとして最高裁判所に対し上告を申し立てた事案。しかし、その主張内容を精査したところ、憲法の解釈や適用に関する具体的な…