判旨
未遂罪について刑法43条前段による刑の減軽を認めるか否かは、裁判所の自由裁量に属する事項である。したがって、未遂罪に同条を適用しなかったとしても、それ自体が直ちに違法となるものではない。
問題の所在(論点)
未遂罪が成立する場合において、刑法43条前段の規定を適用して刑を減軽しないことは許されるか。
規範
未遂罪の刑の減軽に関する刑法43条前段(「その刑を減軽することができる」)の適用は、裁判所の自由裁量に属する。
重要事実
被告人が未遂罪に問われた事案において、原判決は刑法43条前段を適用して刑を減軽しなかった。これに対し、弁護人は同規定を適用しないことが不当であるとして上告した。
あてはめ
刑法43条前段は「その刑を減軽することができる」と規定しており、裁量的減軽を認めたものである。未遂罪について同条を適用するか否かの判断は、裁判所の自由裁量に委ねられた事項である。本件において原審が同規定を適用しなかったことは、裁判所に認められた裁量の範囲内における判断といえる。
結論
未遂罪について刑法43条前段を適用しないことは裁判所の自由裁量に属するため、適用しなかったとしても違法ではない。
実務上の射程
未遂罪の減軽が「裁量的減軽」であることを示す際、条文(刑法43条前段)の解釈を補強する根拠として用いる。答案上は、減軽がなされていないことをもって違法性を主張する議論を否定する際に端的に引用する。
事件番号: 昭和25(あ)706 / 裁判年月日: 昭和26年3月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が刑事訴訟法405条に当たらないこと、および同法411条を適用すべき事由が認められないことを理由に、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が上告を申し立てたが、その趣旨は刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないものであった。また、裁判所が記録を精査した結果、職権破棄事…