判旨
原審の量刑が不当であるとして寛大な処分を求める主張は、刑法及び刑訴法の規定に照らし、上告の適法な理由とはならない。
問題の所在(論点)
原審の量刑が不当であることを理由とする上告の申立てが、適法な上告理由となるか。
規範
量刑の不当のみを理由とする上告については、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)405条各号に掲げられた上告事由のいずれにも該当しない。
重要事実
被告人が、原判決の量刑が不当であると主張し、より寛大な処分を求めて最高裁判所に対し上告を申し立てた事案である。
あてはめ
被告人の上告趣意は「原審の量刑が不当である」「寛大なる処分を求める」という点に尽きる。しかし、現行刑事訴訟法405条が定める上告事由(憲法違反、判例違反等)に照らせば、単なる量刑不当の主張はこれに該当しないため、不適法な主張といえる。
結論
本件上告には適法な上告理由がないため、棄却を免れない。
実務上の射程
上告審の構造が事後審であり、かつ法律審であることを再確認する趣旨で用いられる。実務上、量刑不当を争うには刑訴法411条2号(刑の量定が甚だしく不当)の適用を狙うことになるが、それ自体は固有の上告事由ではないことを明確にする際に引用される。
事件番号: 昭和26(れ)1165 / 裁判年月日: 昭和26年10月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への上告理由として、刑罰の重すぎる(量刑不当)という主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が刑事裁判の判決に対し、量刑が不当であることを主たる理由として最高裁判所に上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):刑事訴訟法405条において、量…
事件番号: 昭和25(あ)3113 / 裁判年月日: 昭和26年11月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張の根拠としている場合であっても、その実質が量刑不当の主張にすぎないときは、刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起し、弁護人が憲法違反を理由として上告趣意書を提出した事案。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には量刑が不当に重いことを…
事件番号: 昭和26(れ)23 / 裁判年月日: 昭和26年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の上告趣意が単なる量刑不当の主張に帰する場合、それは刑法訴訟法上の適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が、原判決の量刑が不当であることを理由として最高裁判所に上告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):被告人が主張する「量刑不当」が、上告審における適法な上告理…
事件番号: 昭和25(れ)1587 / 裁判年月日: 昭和26年3月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法下における上告において、被告人の主張が単なる事実誤認及び量刑不当に帰する場合、当時の特別法(刑訴応急措置法)に基づき、適法な上告理由にはあたらない。 第1 事案の概要:被告人が原審の判断に対して不服を申し立て、上告を提起した。しかし、その主張の内容は、原判決の認定した事実が誤っていると…
事件番号: 昭和25(あ)333 / 裁判年月日: 昭和25年11月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法411条は、同法405条所定の上告理由がない場合であっても、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときに、上告裁判所が職権で原判決を破棄できる旨を定めた規定である。 第1 事案の概要:被告人Aが上告を申し立てたが、その上告趣意の内容は刑事訴訟法405条に定める事由(憲法違反、判…