判旨
判示事項が極めて簡潔であり、本件では原判決の認定した事実に基づき、被告人側の事実誤認等の主張を排斥して有罪を維持したものである。
問題の所在(論点)
刑事裁判における事実認定及び証拠の取捨選択が、上告審において適法に争い得るか、また原判決に事実誤認の違法があるか。
規範
上告審において原判決の事実認定を争う場合、原判決が挙示する証拠に照らして合理的な疑いを超える犯罪事実の認定が可能であるならば、証拠の取捨選択や事実認定は原審の専権に属し、特段の事情がない限り上告理由とはならない。
重要事実
被告人A、B、Cは、特定の犯罪事実について有罪判決を受けた。これに対し、被告人側は、対象物(ガンリン)が他社の占有に属していた等の事実を主張し、原判決の事実認定に誤りがあるとして上告した。
あてはめ
原判決が挙げた各証拠を総合すれば、判示された被告人らの犯罪事実は十分に認定できる。被告人が主張する「ガンリンが特定会社の占有に属していた」という事実は原判決の認定していない事実であり、かかる独自の見解に基づき原判決を攻撃することは許されない。証拠の取捨選択は原審の専権事項であり、本件ではその判断に不合理な点は認められない。
結論
本件各上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、事実認定の専権(自由心証主義)を再確認するものであり、答案上では、上告理由としての事実誤認の主張が排斥される典型的な論理構成として参照される。具体的な犯罪構成要件の解釈については、本判決文からは不明である。
事件番号: 昭和26(れ)2100 / 裁判年月日: 昭和27年2月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人両名による上告は、事実誤認の主張に帰し刑訴法405条の適法な上告理由に当たらない。また、職権で破棄すべき刑訴法411条の事由も認められないため、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人両名は、原判決(有罪判決と推認される)を不服として最高裁判所に対し上告を申し立てた。弁護人は上告趣意書を…