判旨
上告理由に当たらない不当な上告であっても、最高裁判所が上告を棄却する場合には、刑法21条に基づき、当審における未決勾留日数の一部を本刑に算入することができる。
問題の所在(論点)
上告趣意が刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして上告を棄却する場合において、刑法21条に基づき未決勾留日数を本刑に算入することができるか。
規範
刑法21条は「未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる」と規定しており、上告棄却の決定を行う際にも、裁判所の裁量により未決勾留日数を本刑に算入することが認められる。
重要事実
被告人および弁護人が上告を申し立てたが、最高裁判所は当該上告趣意について検討した結果、刑事訴訟法405条所定の上告理由に当たらないと判断した。また、記録を精査しても同法411条を適用して職権で判決を取り消すべき事由も認められなかった事案である。
あてはめ
本件において、上告趣意は法的な上告理由を構成せず、職権破棄の事由も存在しないため、形式的に上告棄却の決定がなされる。この際、被告人が上告審において身柄を拘束されていた期間(未決勾留日数)について、刑法21条の規定を適用し、そのうち30日間を本刑に算入することが相当であると判断された。
結論
本件上告を棄却するとともに、当審における未決勾留日数中30日を本刑に算入する。
実務上の射程
未決勾留日数の算入に関する裁判所の広範な裁量を認めたものである。実務上、上告棄却の決定の主文において算入日数が明示される際の根拠となるが、答案作成上は刑法21条の適用場面の一つとして理解しておけば足りる。
事件番号: 昭和25(あ)2758 / 裁判年月日: 昭和26年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらず、また職権をもって判決を破棄すべき顕著な正義に反する事由も認められない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人両名の弁護人が、量刑が不当であることを理由として上告を申し立てた事案である。判決文からは具体的な犯罪事…
事件番号: 昭和25(あ)1207 / 裁判年月日: 昭和26年5月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない場合に上告を棄却する判断を示したものである。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が上告を申し立てた事案。具体的な公訴事実や下級審の判断内容については、本判決文(決定文)からは不明である。 第2 問題の所在(論点):被告人および弁護人が主張する上告…
事件番号: 昭和26(あ)4194 / 裁判年月日: 昭和28年6月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の上告について、事実誤認や量刑不当の主張は刑訴法405条の上告理由に当たらない。また、違憲の主張についても、先例の趣旨に照らし、憲法違反は認められない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起したが、その主張内容は事実誤認および量刑不当であった。また、弁護人からも憲法違反を理由とする上告がなさ…