判旨
盗品等有償譲受罪の判示においては、盗品等であることの知情(故意)を「罪となるべき事実」として明示する必要があるが、その程度は一審判決程度の簡潔な判示であっても認められ得る。
問題の所在(論点)
判決における「罪となるべき事実」の判示(刑事訴訟法335条1項)において、盗品等関与罪の主観的構成要件要素である「知情」をどの程度具体的に記載する必要があるか。
規範
刑法上の盗品等関与罪(旧法下の賍物罪)の成立を認めるためには、対象物が盗品等であることの知情(故意)を、判決書において「罪となるべき事実」として具体的に判示することを要する。
重要事実
被告人が盗品等有償譲受罪(旧法下の賍物故買罪)に問われた事案において、第一審判決における知情(故意)の判示が極めて簡潔であったため、弁護人が「知情の点の判示がない」として訴訟法違反を主張し上告した。
あてはめ
原判決は知情の点が罪となるべき事実として判示を要することを前提としつつ、第一審判決の判示内容(具体的な文言は判決文からは不明)によってもなお知情の事実が示されていると認定した。最高裁もこの判断を首肯し、知情の判示が欠けているとはいえないと評価した。
結論
盗品等関与罪において知情の判示は不可欠であるが、一審判決程度の判示があれば知情の事実が摘示されているものと認められる。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
実務上、盗品等関与罪の故意(知情)は構成要件として必ず論じる必要があるが、判決書や答案における事実摘示としては、他の事実関係と併せて認定されていれば足り、過度に詳細な個別判示までは求められないという文脈で使用される。
事件番号: 昭和26(あ)924 / 裁判年月日: 昭和27年11月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】賍物罪の成立に必要な故意として、行為者が目的物を買い入れる際、それが賍物(盗品等)であることの認識を有していれば足りる。 第1 事案の概要:被告人は、本件物件を買い入れた。第一審判決は、証拠に基づき、被告人が当該物件の買入当時、それが賍物であるとの認識があったと認定した。これに対し、被告人側は採証…