判旨
本決定は、刑法36条1項の正当防衛につき、弁護人が主張する事由が刑訴法405条の上告理由に当たらないことを示したものである。個別の具体的事実関係に基づく判断の妥当性ではなく、上告受理の形式的要件を判断している。
問題の所在(論点)
被告人の行為について、刑法36条1項の正当防衛が成立するか、また、下級審の判断に刑訴法405条の上告理由または同法411条の職権破棄事由となるような重大な誤りがあるか。
規範
刑訴法405条の上告理由に当たらない場合、および同法411条の職権破棄事由が認められない場合には、上告を棄却すべきである。
重要事実
被告人が特定の犯罪事実について起訴され、下級審において有罪判決を受けた。これに対し、弁護人が刑訴法405条に基づき上告を申し立て、正当防衛の成立の有無等について争ったものと推認される。
あてはめ
弁護人の上告趣意を検討した結果、法律上の形式的な上告理由(憲法違反や判例違反等)には該当しない。また、訴訟記録を精査しても、判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認められるような重大な事由(職権破棄事由)は存在しないと判断される。
結論
本件上告を棄却する。
実務上の射程
本決定自体は極めて短文であり、具体的な正当防衛の要件を判示したものではない。しかし、上告審における事実誤認や法令違反の主張が、いかなる場合に405条の理由とされ、あるいは411条で救済されるかの限界を示す実務上の先例として位置づけられる。答案作成上は、単なる事実関係の不服は上告理由にならないという原則の確認に用いる。
事件番号: 昭和26(れ)1117 / 裁判年月日: 昭和26年11月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、刑訴法405条の上告理由に該当しない事案について、記録を精査しても同法411条の職権破棄事由が認められない限り、上告を棄却すべきであると示したものである。 第1 事案の概要:被告人が上告を申し立てた事案であるが、弁護人の提出した上告趣意書の内容は、刑訴法405条が規定する具体的な上告理由…