判旨
適法に発付された逮捕状に基づき身体を拘束され、刑事訴訟法205条2項所定の時間内に勾留請求がなされた場合、その後の勾留状の執行による拘束は適法である。令状によらない不当な拘束という事実に反する主張は、上告理由にならない。
問題の所在(論点)
逮捕・勾留の手続が刑事訴訟法の規定を遵守して行われたか。具体的には、令状に基づかない不当な身体拘束の有無が問題となった。
規範
逮捕から勾留に至る一連の身体拘束の適法性は、(1)適法に発付された逮捕状の存在及びこれに基づく適法な身体拘束、(2)刑事訴訟法205条2項に定める期間内での勾留請求、(3)裁判官による勾留状の発付及び適法な執行の有無によって判断される。
重要事実
被告人は、昭和24年9月21日午後9時30分、大阪地方裁判所裁判官が発付した適法な逮捕状に基づき巡査に逮捕され、身体を拘束された。その後、被告人は大阪警視庁中央方面隊本部に送致され、刑事訴訟法205条2項の制限時間内に勾留が請求された。同年9月24日、大阪地方裁判所裁判官の発した勾留状に基づき、午前10時40分に警察署において勾留状が執行された。
あてはめ
本件では、まず正規の逮捕状に基づき警察官が逮捕しており、適法な身体拘束が開始されている。次に、送致後の勾留請求も刑事訴訟法205条2項が定める法定期間内に行われており、時間的制限を遵守している。さらに、裁判官が発した勾留状が実際に執行されている。したがって、一連の手続に令状主義違反や不当な拘束は認められない。
結論
被告人は令状なく不当に拘束されたものではなく、身体拘束の手続は適法であるため、上告は棄却される。
実務上の射程
逮捕から勾留への移行の適法性を肯定した事例判断である。実務上、逮捕状・勾留状の有効性と、法定期限内の手続遂行が確認されれば、身体拘束の適法性が認められることを示している。答案作成においては、刑事訴訟法203条から205条のタイムリミット遵守の重要性を裏付ける素材として活用できる。
事件番号: 昭和25(あ)2254 / 裁判年月日: 昭和27年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】司法警察員から検察官への被疑者送致手続において、刑事訴訟法203条1項の規定に違反する手続上の不備があったとしても、そのこと自体は直ちに判決に影響を及ぼすものではないため、上告理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人は司法警察員によって逮捕され、その後検察官に送致されたが、その送致手続において…