判旨
被告人が公判期日に出頭せず、弁護人のみが出頭して審理が行われた場合であっても、それが被告人の権利を不当に侵害するものではなく、手続規定に照らして適法であるならば、憲法上の適正手続に反しない。
問題の所在(論点)
被告人が公判期日に欠席したまま、弁護人のみの出席によって審理を行うことが、刑事訴訟法405条の上告理由(憲法違反等)に該当するか。
規範
刑事訴訟法等の手続規定に従い、被告人の欠席下で審理を行うことが認められる場合において、当該手続が被告人の防御権を実質的に侵害せず、かつ適法に行われたのであれば、憲法31条の適正手続の保障に反するものではない。
重要事実
被告人が公判期日に出頭しなかった事案において、弁護人のみが公判に出席し審理が進められた。これに対し、被告人不在のまま審理を行うことは憲法違反であるとして上告がなされた。なお、具体的な欠席の理由や当時の審理状況の詳細は本決定文からは不明である。
あてはめ
本件において記録を精査しても、被告人不在のまま審理を進めたことが刑事訴訟法386条1項3号や411条を適用して破棄すべき重大な違法があるとは認められない。手続が適法に履行されている以上、被告人の出頭を欠いた審理であっても直ちに憲法違反となる事由は見当たらない。
結論
被告人欠席下の審理であっても、法に定める適正な手続に従っている限り憲法には違反せず、上告は棄却される。
実務上の射程
被告人の公判出頭権は重要であるが、法が認める例外的な欠席裁判手続が憲法31条に違反しないことを確認する趣旨で引用される。答案上は、被告人の防御権の保障と迅速な裁判の要請の調和を論じる際の前提として機能する。
事件番号: 昭和26(れ)1362 / 裁判年月日: 昭和26年10月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が公判期日に出頭せず、弁護人のみが出頭して審理が行われた場合であっても、それが刑事訴訟法等の規定に抵触せず、かつ憲法上の被告人の権利を実質的に侵害しない限り、適法な手続として是認される。 第1 事案の概要:被告人が公判期日に出頭しなかった事案において、第一審または控訴審において弁護人のみが出…