何人を問わず日本國内において罪を犯したものは刑罰法令を適用されるものであること刑法第一條、第八條により明白であつて、朝鮮人は連合國人でないから特に日本の裁判權から除外される何等の理由も存しない。
朝鮮人に對する日本刑事裁判權
刑法1條,刑法8條
判旨
朝鮮人を含む何人を問わず、日本国内において罪を犯した者は刑法第1条及び第8条により日本の刑罰法令が適用され、日本の裁判権に服する。また、裁判所が証拠の取捨選択をすることは、裁判所の裁量権に属し、憲法第37条第2項に違反しない。
問題の所在(論点)
1. 朝鮮人に対して日本の裁判権が及ぶか(属地主義の適用範囲)。 2. 裁判所が証拠(前科内容等)の取調請求を却下することは、憲法37条2項の証人審問権等に違反するか。
規範
1. 日本国内において罪を犯した者は、国籍の如何を問わず日本の刑罰法令が適用される(刑法1条、8条)。朝鮮人は連合国人ではないため、日本の裁判権から除外される特段の理由は認められない。 2. 憲法37条2項は、事実裁判所が諸般の事情に基づき必要とする証拠の取捨選択をする裁量権を制限するものではない。
重要事実
朝鮮人である被告人が、日本国内において犯罪行為に及んだとして起訴された事案。弁護人は、被告人が朝鮮人であることを理由に日本の裁判権からの除外を主張したほか、検察事務官の供述書の任意性欠如、判決における人種差別や公平原則違反、および前科内容の取調請求却下による憲法37条2項違反を主張して上告した。
あてはめ
1. 刑法1条および8条の規定に照らせば、日本国内で罪を犯した者はすべて刑罰法令の適用対象となる。朝鮮人は連合国人(当時の特権的地位にある者)に該当しないため、裁判権の例外を認めるべき根拠はない。 2. 証拠の取捨選択は裁判所の裁量に委ねられている。本件において前科内容の取調請求を却下したことは、裁判所が諸般の事情から必要性を判断した結果であり、不当な制限とはいえない。 3. 人種差別や裁判の不公平を裏付ける資料は存在せず、供述書の強要を認めるべき資料も存在しない。
結論
被告人に日本の裁判権が及ぶことは明白であり、また証拠の取捨選択も裁判所の裁量の範囲内であって合憲である。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
属地主義(刑法1条)の適用範囲が極めて広範であることを確認した判例であり、外国人や当時の朝鮮人の刑事裁判権を基礎づける際に引用される。また、証拠調べの採否が裁判所の裁量事項であるという原則(証拠決定の自由)は、現在の刑事訴訟実務においても重要な指針となっている。
事件番号: 昭和26(れ)2074 / 裁判年月日: 昭和27年3月28日 / 結論: 棄却
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