刑の執行を猶豫しないことが基本的人權を侵害するものでないことは當裁判所の判例(昭和二二年(れ)第二〇一號昭和二三年三月二四日大法廷判決)とするところであるから、論旨は採用することができない。
刑の執行を猶豫しない判決と憲法第一一條
憲法11條,刑法25條
判旨
刑の執行を猶予しないことは、基本的人権を侵害するものではなく、憲法違反には当たらない。また、刑の量定の不当を主張することは、上告の適法な理由にはならない。
問題の所在(論点)
刑の執行猶予を付さないことが基本的人権の侵害に当たるか。また、量刑不当が適法な上告理由となるか。
規範
刑の執行猶予を言い渡さないことは、憲法が保障する基本的人権を侵害するものではない。また、量刑不当の主張は上告の適法な理由とはならない。
重要事実
被告人等3名は、原審での刑の量定を不当として上告した。その際、弁護人は「原審が被告人等に対し刑の執行猶予を言い渡さなかったことは、基本的人権を無視したものである」と主張し、憲法違反を訴えた。
あてはめ
当裁判所の判例(昭和23年3月24日大法廷判決)によれば、執行猶予を言い渡さないことが基本的人権を侵害するものではないことは明らかである。したがって、被告人側の主張は憲法問題としての実質を欠く。また、原審の量刑が不当であるとの主張は、法が定める適法な上告理由に該当しない。
結論
刑の執行を猶予しないことは基本的人権の侵害にあたらず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
量刑判断は裁判所の裁量に属し、執行猶予の不付与が直ちに基本的人権の侵害(憲法違反)を構成することはない。司法試験の実務においては、量刑不当のみを理由とする上告が制限されていること、および執行猶予制度の憲法上の位置付けを確認する際の基礎資料となる。
事件番号: 昭和24(れ)247 / 裁判年月日: 昭和24年7月16日 / 結論: 棄却
刑の執行猶豫の言渡をしないことが憲法第三六條のいわゆる「殘虐な刑罰」に該らないこと及び刑の執行猶豫の言渡をしないために被告人の家族が生活に困るような場合でもその刑の言渡をした判決が憲法に違反するものでないことは、既に當裁判所の判決とするところである。(昭和二二年(れ)第三二三號、昭和二三年六月二三日大法廷判決、昭和二二…