判旨
裁判官の更迭があった場合でも、最高裁判所刑事訴訟規則施行規則3条3号(当時)の規定に基づき、必ずしも公判手続を更新する必要はなく、同規定は憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
裁判官が交代した場合に、常に刑事訴訟法上の公判手続の更新が必要とされるか。また、更新を省略することを認める最高裁判所規則の規定は合憲か。
規範
裁判官の更迭に伴う公判手続の更新について、最高裁判所規則(刑事訴訟規則施行規則3条3号等)に定めるところに従い更新しない措置をとることは、憲法及び法律に違反するものではない。
重要事実
被告人の控訴審(原審)において、第3回公判期日より前に裁判官の更迭が生じた。原審は、当時の最高裁判所刑事訴訟規則施行規則3条3号の規定に従い、公判手続の更新を行わずに審理を継続し、判決を言い渡した。これに対し被告人側が、公判手続の更新を欠いたことは違憲・違法であるとして上告した事案である。
あてはめ
判例は、最高裁判所刑事訴訟規則施行規則3条3号が憲法に違反しないことを既に大法廷判決で示している。本件においても、原審は当該規則に従って更新を行わなかったものであり、これは法的に許容される手続である。したがって、更新が行われなかったことをもって違法とすることはできない。
結論
原審が公判手続を更新しなかった措置に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、刑事訴訟法315条の原則(裁判官の更迭による更新)に対する例外を認める規則の合憲性を確認したものである。実務上、特に控訴審等において規則に基づく更新の簡略化が争われる際の根拠となるが、現行法下では裁判員裁判や直接主義との兼ね合いから、更新の程度が問題となる点に留意が必要である。
事件番号: 昭和25(れ)1055 / 裁判年月日: 昭和25年11月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が開廷後15日以上経過した後に公判を開く場合であっても、裁判所が必要と認めた場合を除き公判手続の更新は不要であり、また、被告人の出頭可能性の判断において必ずしも専門医の診断を要するものではない。 第1 事案の概要:被告人の公判において、第4回公判と第5回公判の間に15日以上の間隔があったが、…
事件番号: 昭和24(れ)2293 / 裁判年月日: 昭和25年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が公判手続更新の必要がないと認めた場合には、公判期日の間隔が15日以上開いたとしても、刑事訴訟規則施行規則に基づき公判手続を更新しないことは適法である。 第1 事案の概要:被告人A、Bに係る原審(控訴審)において、昭和24年3月12日の公判期日および同年4月27日の公判期日が、それぞれ前回の…