原審は判示事實をAの聽取書の外被告人Bについては同人の警察官に對する自白と原審共同被告人Cの同様の自白とによつて認めたのである。そして共同被告人の自白と雖も補強證據たり得るものであつて、被告人の自白と共同被告人の自白とを綜合して事實を認定しても差支えないこと當裁判所大法廷の判例とするところで變更の要を見ない。(昭和二三年(れ)第一一二號事件同年七月一四日大法廷判決昭和二三年(れ)第一六七號同年七月一九日大法廷判決)
共同被告人の供述と補強證據
憲法38條3項,刑訴應急措置法10條3項
判旨
共犯者の自白は、被告人の自白に対する補強証拠となり得る。したがって、被告人の自白と共犯者の自白を総合して犯罪事実を認定することは適法である。
問題の所在(論点)
共同被告人の自白は、被告人自身の自白に対する補強証拠(刑事訴訟法319条2項)となり得るか。
規範
憲法38条3項及び刑事訴訟法319条2項が定める自白の補強法則において、共犯者の自白は補強証拠としての適格を有する。被告人の自白に、共犯者の自白という独立の証拠を組み合わせることで、犯罪事実を認定することが可能である。
重要事実
被告人Bは、警察官に対して犯罪事実を自白した。原審は、この被告人Bの自白に加えて、原審共同被告人Cの警察官に対する自白、および被害関係者Aの聴取書を証拠として犯罪事実を認定した。これに対し弁護側は、共同被告人の自白を補強証拠とすることの是非、および盗難品の数量に関する事実誤認を理由に上告した。
あてはめ
被告人Bが犯罪事実を自白している本件において、共同被告人Cによる同様の自白が存在する。共同被告人の自白は被告人の自白から独立した証拠であり、これらは相互に補強し合う関係に立つといえる。また、Aの聴取書によれば、盗難品には所有物34点のほかに預かり物13点が含まれており、数量の点においても証拠に基づく認定に誤りはないと判断される。
結論
共同被告人の自白は補強証拠となり得るため、これと被告人の自白を総合して事実を認定した原判決に憲法違反や証拠法則の誤りはない。
実務上の射程
共犯者の自白の証拠能力および補強証拠適格を認めた大法廷判決を踏襲するものである。司法試験においては、自白の補強法則の論証において「補強証拠の範囲」として言及すべき判例である。ただし、現代の運用では共犯者の供述の信用性判断(引き込みの危険等)を慎重に行う必要がある点に留意する。
事件番号: 昭和25(あ)3240 / 裁判年月日: 昭和26年5月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共同被告人の供述は、相互に他の共同被告人の供述内容を裏付ける補強証拠となり得る。憲法38条3項及び刑訴法319条2項の補強証拠の要件を満たすにあたり、共犯者の自白を排除する理由はない。 第1 事案の概要:被告人が、共同被告人の供述を相互に補強証拠とすることはできないと主張し、第一審の採証手続に違法…