一 證據説明中の證據の標目を表示するのに、現に存在する「大阪市城東警察署司法警察官巡査部長A作成名儀の聴取書」は單に「司法警察官代理の聴取書」と表示したからといつて、表示の不正確たるに止り、虚無の證據を罪證に供したとはいえない。 二 大阪市城東警察署巡査部長が司法警察官の職務權限を有することは警察法第四六條第三五條舊刑訴法第二四八條等の規定により明白であるから同人の作成した聴取書を目して官職を冐用して作成した違法のものとはいえない。
一 司法警察官巡査部長作成名儀の聴取書を單に「司法警察官代理の聴取書」と表示したことの正否 二 巡査部長の作成した聴取書の効力と司法警察官
舊刑訴法248條,舊刑訴法249條,舊刑訴法360條1項,警察法35條,警察法46條
判旨
強盗予備罪は、他人と共謀の上、強盗の目的をもって凶器を携帯し、目的地に向かって出発した時点で成立する。現実に目的地に到達することや、到達後に強盗の機会をうかがう行為までは必要とされない。
問題の所在(論点)
強盗予備罪の既遂時期および成立要件は何か。また、成立要件を超えて付加的に認定された事実に証拠がない場合、判決に影響を及ぼす違法(事実誤認)となるか。
規範
強盗予備罪(刑法237条)の成立には、強盗の目的をもって、他人との共謀に基づき、凶器を携えて目的地に向け出発する行為があれば足りる。これを超えて、現実に目的地に到達し、または到達後に強盗を働く機会をうかがうといった行為をなすことは、犯罪成立の要件ではない。
重要事実
被告人は、共犯者Bの案内によってC方に至り、同宅に押し入って強盗を働く機会をうかがったが、その機を得られず引き揚げたと認定された。原判決は、この事実の証拠として被告人の公判供述を挙げていたが、実際には「機会をうかがった」等の点に関する供述は存在しなかった。弁護人は、証拠のない事実を認定した違法があると主張して上告した。
あてはめ
強盗予備罪は、凶器を携え目的地に出発した段階で既に成立している。本件において、被告人が共謀の上で目的地に向かった事実に争いがない以上、予備罪の構成要件は充足されている。原判決が判示した「機会をうかがった」等の事実は、予備罪の成立に必要のない無用の付加事実に過ぎない。したがって、かかる付加事実について証拠との不一致があったとしても、犯罪の成否に影響を及ぼすものではない。
結論
強盗の目的で凶器を携え出発した時点で強盗予備罪は成立する。必要のない付加事実に証拠が欠けていても、判決の結論を左右する違法とはならない。
実務上の射程
予備罪の実行着手前の段階における成立範囲を画定する基準となる。特に強盗予備罪において、凶器準備・目的地への出発という客観的事実があれば、その後の「物色」や「機会のうかがい」といった密接な行為がなくても犯罪が成立することを示す。答案上は、予備罪の成立要件を簡潔に定義する際に引用すべき判例である。
事件番号: 昭和24(れ)1646 / 裁判年月日: 昭和24年9月17日 / 結論: 棄却
原判決の示すような共謀の事實が認められる以上たとえ強盜等の實行行為について、共同正犯の責任を兔れないことは、當裁判所の判例として示すところである。しかしたとえその犯行を實行した共犯者の氏名が特に判決の事實摘示の項に明らかにされていなくても、所論のようにそれをもつて判決を違法ならしめる瑕疵とすることはできないのである。
事件番号: 昭和24(れ)2146 / 裁判年月日: 昭和24年12月26日 / 結論: 棄却
原判決中の「その證據は原判決に摘示するところとすべて同一であるからこゝにこれを引用する」という語句は、稍々正確を欠く憾みがないではない。しかしそれは、本來ならば第一審判決に摘示した通りの證據を舉示すべきであるのを、そのことを省略してそれに代えたものであること明かである。従つて原判決にも、第一審判決に摘示されたと同様の證…