都市計画法一一条一項一号の道路に関する都市計画の変更決定は、抗告訴訟の対象とならない。
都市計画法一一条一項一号の道路に関する都市計画の変更決定と抗告訴訟の対象
都市計画法11条1項1号,都市計画法18条1項,都市計画法21条2項,行政事件訴訟法3条
判旨
都市計画の変更決定は、それ自体では特定の個人の権利義務を直接具体的に形成し、またはその範囲を確定するものではないため、行政事件訴訟法3条2項にいう行政処分には当たらない。
問題の所在(論点)
都市計画法に基づく都市計画の変更決定が、行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分」に該当するか。
規範
行政処分(抗告訴訟の対象)とは、公権力の主体たる行政庁の行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
重要事実
本件は、行政庁による都市計画変更決定の適法性が争われ、当該決定が行政事件訴訟法上の抗告訴訟の対象となる「処分」に該当するか否かが問題となった事案である(具体的な変更内容等の詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
事件番号: 昭和52(行ツ)71 / 裁判年月日: 昭和52年12月23日 / 結論: 棄却
土地区画整理法二〇条三項所定の利害関係者の意見書に係る意見を採択すべきでない旨の都道府県知事の通知は、取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」にあたらない。
都市計画の変更決定は、一般的・抽象的な行政方針や地域指定を行うにとどまり、特定の個人に対して直ちに具体的な権利の制限や義務の賦課を伴うものではない。したがって、法的な効果が国民の権利義務に対して直接及ぶとはいえず、処分性の要件を欠くものと解される。
結論
都市計画変更決定は行政処分に当たらないため、これに対する取消訴訟は不適法として却下される。
実務上の射程
本判決は都市計画の一般的な性質に鑑み処分性を否定したものである。ただし、後に土地区画整理事業計画決定(最判昭63.10.11)などで例外的に処分性が認められたケースと比較検討する際の「原則(否定例)」として答案上で引用する。
事件番号: 昭和54(行ツ)7 / 裁判年月日: 昭和57年4月22日 / 結論: 棄却
都市計画法八条一項三号に基づく高度地区指定の決定は、抗告訴訟の対象とならない。
事件番号: 昭和53(行ツ)62 / 裁判年月日: 昭和57年4月22日 / 結論: 棄却
都市計画法八条一項一号の規定に基づく工業地域指定の決定は、抗告訴訟の対象とならない。
事件番号: 平成17(行ヒ)397 / 裁判年月日: 平成20年9月10日 / 結論: 破棄自判
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (補足意見及び意見がある。)