都市計画法に基づき土地区画整理事業に関して都道府県知事のした都市計画決定は、抗告訴訟の対象とならない。
都市計画法に基づく都市計画決定と抗告訴訟の対象
都市計画法18条,行政事件訴訟法3条
判旨
土地区画整理事業に関する都市計画決定は、それ自体では国民の権利義務を具体的に制限するものではなく、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。
問題の所在(論点)
土地区画整理事業に関する都市計画の決定が、行政事件訴訟法3条2項にいう抗告訴訟の対象となる「行政庁の処分」に該当するか。
規範
行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為のうち、直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。都市計画決定のように、その後の事業実施段階で初めて具体的な権利制限が生じる性質のものは、原則として処分性を有しない。
重要事実
都道府県知事が土地区画整理事業に関して都市計画の決定を行った。これに対し、上告人が当該決定の取消しを求めて抗告訴訟を提起したが、原審は当該決定に処分性がないとして訴えを却下したため、上告人がこれを不服として上告した事案である。
事件番号: 平成17(行ヒ)397 / 裁判年月日: 平成20年9月10日 / 結論: 破棄自判
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (補足意見及び意見がある。)
あてはめ
最高裁は、先行判例(昭和41年2月23日大法廷判決)を引用し、土地区画整理事業に関する都市計画決定は抗告訴訟の対象にならないと判示した。これは、都市計画決定それ自体は、当該区域内の土地所有者等に対して直ちに具体的な権利の制限や義務の賦課を伴うものではなく、その後に続く換地処分等の具体的な法的効果を伴う段階で初めて権利救済を認めれば足りるという論理に基づいている。したがって、公権力の行使による直接的な権利義務の形成は認められない。
結論
土地区画整理事業に関する都市計画決定は行政処分に該当せず、抗告訴訟の対象とはならない。本件上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、都市計画決定一般の処分性を否定する古典的判例である。もっとも、後の平成20年大法廷判決により、土地区画整理「組合」の設立認可については処分性が肯定されるなど、射程が限定されている点に注意が必要である。答案上は、本判決の法理を原則としつつ、個別法による権利制限の具体性や実効的救済の必要性に応じて射程を検討する際の出発点として用いる。
事件番号: 昭和46(行ツ)63 / 裁判年月日: 昭和50年11月28日 / 結論: 棄却
住宅地区改良事業の事業計画の認可は、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分にあたらない。