鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律五〇条は、公害等調整委員会に対して裁定を申請することができる処分については、その無効確認を含め一切の抗告訴訟の提起を禁止している趣旨と解すべきである。
鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律五〇条の趣旨
鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律50条
判旨
調整手続法50条は、裁定を申請できる処分について、その当否の検討をすべて公害等調整委員会の裁定に委ねる趣旨であるため、処分自体の無効確認訴訟の提起も禁止している。
問題の所在(論点)
調整手続法50条が「裁定に対してのみ」訴えを提起できると規定し、原処分に対する訴えを制限している場合に、取消訴訟のみならず、原処分の無効確認訴訟の提起も禁止されるか。
規範
調整手続法50条にいう「裁定を申請することができる事項に関する訴え」とは、取消訴訟に限らず無効確認訴訟をも含む。したがって、同条が準司法的手続である裁定を経た後でなければ出訴できない(裁定のみを訴訟対象とする)旨を定めている以上、原処分自体の無効確認を求める抗告訴訟の提起は一切禁止される。
重要事実
上告人は、採石法33条に基づく岩石採取計画の認可処分に不服があり、当該処分の無効確認を求めて提訴した。これに対し、採石法39条1項及び調整手続法1条1項2号は、同処分への不服は公害等調整委員会(公調委)への裁定申請によるべき旨を定め、さらに調整手続法50条は、裁定申請が可能な事項に関する訴えは裁定に対してのみ提起できると規定していた。
あてはめ
調整手続法は、独立した権限を持つ公調委により、除斥・忌避制度や審問手続といった慎重な準司法的手続を経て不服を審査する仕組みを整えている。同法50条の趣旨は、専門的知見を要する処分等の当否をすべて公調委の裁定に委ね、不服がある者は必ずこの裁定を経るべきとする点にある。また、同条の文言上も、取消訴訟と無効確認訴訟を区別せず、一律に「事項に関する訴え」と規定している。以上から、本件認可処分の無効確認を求める訴えは、同条により禁止された不適法なものと評価される。
結論
本件訴えは不適法であり、却下されるべきである。調整手続法50条は、原処分に対する無効確認訴訟の提起を認めていない。
実務上の射程
行政不服申立てと訴訟の関係において、個別法(調整手続法)が準司法的な不服審査手続を前提に原処分の出訴を制限している場合、無効確認訴訟であってもその制限を免れないことを示す。答案では、行政事件訴訟法以外の個別法による出訴制限の解釈として活用する。
事件番号: 昭和38(オ)563 / 裁判年月日: 昭和38年9月26日 / 結論: 棄却
選挙の立候補届を受理されなかつたからといつて、右不受理の取消を求める訴を提起することは、許されない。
事件番号: 昭和50(行ツ)23 / 裁判年月日: 昭和50年6月27日 / 結論: 棄却
農地法八〇条に基づき農地の売払いを受けられる場合には、当該農地の旧所有者は、行政事件訴訟法三六条により、当該農地の売渡処分の無効確認を求める原告適格を有しない。