選挙の立候補届を受理されなかつたからといつて、右不受理の取消を求める訴を提起することは、許されない。
立候補届不受理の取消を求める訴の適否。
行政事件訴訟法3条1項,公職選挙法202条,公職選挙法203条
判旨
立候補届出の不受理が違法であると主張する場合、選挙終了後に公職選挙法上の選挙無効訴訟によって争うべきであり、当該不受理処分の取消しを求める訴えは認められない。
問題の所在(論点)
選挙における立候補届出の不受理という個々の行為に対し、公職選挙法202条以下の選挙訴訟によらず、行政事件訴訟として取消訴訟を提起することが許されるか。
規範
公職選挙法上の選挙に関する争訟については、同法202条以下の規定が定める特別の訴訟手続によるべきであり、選挙の過程における個々の行為の違法を理由として、独立した行政処分としてその取消しを求めることは許されない。
重要事実
上告人は、知事選挙において供託証明書を添付せずに立候補の届出をしたが、供託金制度等が憲法14条、22条に反し違憲であると主張して、届出の不受理処分の取消しを求めて提訴した。
あてはめ
上告人は、供託金制度等の違憲性を理由に立候補届出の不受理が違法であると主張する。しかし、このような主張は選挙の効力に関する争いとして、選挙終了後に公職選挙法202条以下の規定に基づき選挙無効の判決を求めるべき性質のものである。したがって、選挙の過程における一行為である不受理処分について、独立して取消訴訟を提起することは、法の予定する争訟体系に反するといえる。
結論
立候補届出の不受理の取消しを求めることは許されず、選挙無効訴訟によってのみ争うことができる。
実務上の射程
行政救済法における「特別の争訟手続」の排他的性格を示す判例である。選挙に関する手続的瑕疵については、公職選挙法が定める選挙訴訟・当選訴訟という特設の救済手段によるべきであり、一般的な取消訴訟は補充的にさえ認められないという射程を持つ。答案では、行政訴訟の出訴適格や争訟形態の選択が問われる場面で、公選法の規定を優先させる論拠として活用できる。
事件番号: 昭和27(オ)113 / 裁判年月日: 昭和31年3月9日 / 結論: その他
一 訴願権者でない者の提起した訴願を不適法として却下する裁決は、行政事件訴訟特例法第五条第四項にいう訴願の裁決にあたらない。 二 農地売渡計画に対し異議の申立をしないで法定期間経過後、直接、訴願庁に提起された訴願であつても、訴願庁が宥恕すべき事情があると認めてこれを受理し棄却の裁決をした場合には、右裁決は、行政事件訴訟…