住宅地区改良事業の事業計画の認可は、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分にあたらない。
住宅地区改良事業の事業計画の認可と抗告訴訟の対象
住宅地区改良法5条
判旨
住宅地区改良事業の事業計画の認可は、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分(行政事件訴訟法3条2項)には当たらない。
問題の所在(論点)
住宅地区改良法に基づく住宅地区改良事業の事業計画の認可が、行政事件訴訟法3条2項にいう「処分」に該当するか。
規範
行政庁の行為が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たるべき行為」(行訴法3条2項)に当たるというためには、その行為が直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものであることを要する。
重要事実
本件は、住宅地区改良法に基づき施行される住宅地区改良事業において、行政庁が行った事業計画の認可の処分性が争われた事案である。上告人らは、当該認可が抗告訴訟の対象となる処分に当たると主張してその取り消しを求めた。
あてはめ
住宅地区改良事業の事業計画の認可は、あくまで事業の施行に向けた内部的な準備行為としての性質を有するにとどまる。本判決の簡潔な判示によれば、当該認可自体によって直接的に住民や地権者の権利義務が法的に制限されたり、その範囲が確定されたりするものではないと判断される。したがって、公権力の行使としての法的効果が国民に対して直接及ぶものとはいえない。
事件番号: 昭和59(行ツ)318 / 裁判年月日: 昭和61年2月13日 / 結論: その他
市町村営土地改良事業の施行の認可は、取消訴訟の対象となる行政処分に当たる。
結論
住宅地区改良事業の事業計画の認可は、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分に当たらない。
実務上の射程
本判決は、都市再開発や土地区画整理等の事業における各段階の行為の処分性を判断する際の基礎となる。もっとも、その後の判例(浜松市土地区画整理事業事件等)では、事業の進展により権利に重大な影響を及ぼす場合には処分性を肯定する傾向にあり、本法理の適用範囲は、後続の処分で権利救済が十分図れるかという観点から慎重に検討すべきである。
事件番号: 昭和63(行ツ)170 / 裁判年月日: 平成4年11月26日 / 結論: 棄却
都市再開発法五一条一項、五四条一項に基づき地方公共団体により定められ公告された第二種市街地再開発事業の事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
事件番号: 昭和55(行ツ)99 / 裁判年月日: 昭和59年2月16日 / 結論: 棄却
土地収用法三四条の三の規定に基づく手続開始の告示は、抗告訴訟の対象とならない。
事件番号: 平成17(行ヒ)397 / 裁判年月日: 平成20年9月10日 / 結論: 破棄自判
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (補足意見及び意見がある。)