土地収用法三四条の三の規定に基づく手続開始の告示は、抗告訴訟の対象とならない。
土地収用法三四条の三の規定に基づく手続開始の告示と抗告訴訟の対象
土地収用法34条の3,行政事件訴訟法3条
判旨
都市計画道路事業の事業計画変更認可処分の取消訴訟は出訴期間を徒過しており、また、収用手続開始の告示は抗告訴訟の対象となる「処分」に当たらないため、いずれも不適法である。
問題の所在(論点)
1. 事業計画変更認可処分の取消訴訟において出訴期間の徒過が認められるか。2. 収用手続開始の告示は、行政事件訴訟法上の「処分」に該当するか。
規範
1. 取消訴訟は、行政事件訴訟法第14条所定の出訴期間内に提起されなければならない。2. 抗告訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法第3条第2項)とは、公権力の主体たる行政庁が行う行為のうち、直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
重要事実
上告人らは、(1)建設大臣が昭和50年3月19日に行った東京都市計画道路事業(補助線街路第26号線及び第74号線)の施行期間延長を内容とする事業計画変更認可処分の取消し、および(2)東京都知事が昭和53年8月15日に行った本件事業地の収用手続開始の告示の取消しを求めて訴えを提起した。
事件番号: 昭和46(行ツ)63 / 裁判年月日: 昭和50年11月28日 / 結論: 棄却
住宅地区改良事業の事業計画の認可は、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分にあたらない。
あてはめ
1. 昭和50年に行われた事業計画変更認可に対する訴えについては、原審の認定した事実関係に基づけば、行政事件訴訟法14条3項(※現行法14条相当)の期間を徒過している。2. 収用手続開始の告示は、収用手続の端緒をなす行為ではあるが、それ自体によって直接的に国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定するものではない。したがって、抗告訴訟の対象となる処分性を有しない。
結論
1. 事業計画変更認可処分の取消訴訟は、出訴期間徒過により不適法である。2. 収用手続開始の告示の取消訴訟は、処分性を欠くため不適法であり、いずれも却下すべきである。
実務上の射程
土地収用に関連する一連の手続において、どの段階で処分性が認められるかを判断する際の基準となる。特に「手続開始の告示」段階では、未だ権利義務の具体的な確定がないとして、段階的行政手法における処分性の否定例として機能する。また、期間徒過の判断については、不変期間の厳格な遵守が求められる実務を反映している。
事件番号: 昭和27(オ)144 / 裁判年月日: 昭和29年8月20日 / 結論: 棄却
行政処分に対する異議申立が法定期間経過後になされた場合、異議決定庁は諸般の事情を考察し宥恕すべき事由があると認めるときは、その裁量によりこれを受理することができる。
事件番号: 昭和24(オ)14 / 裁判年月日: 昭和24年7月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分の取消訴訟における出訴期間の起算点に関し、処分の有効・無効は原則として影響せず、処分があったことを知った日から期間が進行する。また、たとえ処分自体に違法の疑いがあっても、法定の不服申立期間を経過した後の提訴は不適法である。 第1 事案の概要:上告人らは、自作農創設特別措置法に基づく被上告委…