都市再開発法五一条一項、五四条一項に基づき地方公共団体により定められ公告された第二種市街地再開発事業の事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
都市再開発法に基づく第二種市街地再開発事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象
行政事件訴訟法3条2項,都市再開発法51条,都市再開発法54条1項
判旨
第二種市街地再開発事業の計画決定は、公告により土地収用法上の事業認定と同一の法律効果を生じ、施行地区内の土地所有者等の法的地位に直接的な影響を及ぼすため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
問題の所在(論点)
都市再開発法に基づく第二種市街地再開発事業の事業計画の決定および公告が、行政事件訴訟法上の「処分」(抗告訴訟の対象)に当たるか。
規範
行政庁の行為が「行政処分」に当たるかは、その行為が国民の権利義務に対し、直接的かつ具体的に法的影響を及ぼすものであるか否かによって判断される。都市計画上の計画決定であっても、それが公告により収用権限を発生させ、住民に対して権利選択等の法的義務を課す実効的効果を有する場合には、処分性が認められる。
重要事実
市町村が第二種市街地再開発事業を施行するため、設計の概要について都道府県知事の認可を受け、事業計画を決定・公告した。都市再開発法および都市計画法の規定により、この公告は土地収用法上の事業認定の告示とみなされ、施行者には収用権限が付与される一方、地区内の宅地所有者等は公告から30日以内に、対価の受領か建築施設部分の譲受け希望かの選択を余儀なくされる仕組みとなっていた。
事件番号: 昭和46(行ツ)63 / 裁判年月日: 昭和50年11月28日 / 結論: 棄却
住宅地区改良事業の事業計画の認可は、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分にあたらない。
あてはめ
本件事業計画の決定は、公告の日から土地収用法上の事業認定と同一の法律効果を生じ、市町村が収用権限を取得する一方、所有者等は自己の土地が収用されるべき地位に立たされる。加えて、公告後短期間(30日以内)に対償の受領か譲受け希望かの選択を強制される。これらの効果に鑑みれば、当該公告は施行地区内の土地所有者等の法的地位に直接的な影響を及ぼすものといえる。
結論
本件事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
実務上の射程
本判決は、都市計画決定一般には処分性を否定した昭和41年判決(土地区画整理事業計画決定事件)の枠組みを維持しつつ、土地収用法上の効果が直結する第二種市街地再開発事業等については例外的に処分性を肯定する射程を持つ。答案では、単なる準備的行為に留まらず「収用権限の発生」や「具体的義務の強制」といった法的効果の有無を、根拠条文に基づき指摘する際に引用すべき重要判例である。
事件番号: 平成17(行ヒ)397 / 裁判年月日: 平成20年9月10日 / 結論: 破棄自判
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (補足意見及び意見がある。)
事件番号: 昭和55(行ツ)99 / 裁判年月日: 昭和59年2月16日 / 結論: 棄却
土地収用法三四条の三の規定に基づく手続開始の告示は、抗告訴訟の対象とならない。
事件番号: 平成3(行ツ)208 / 裁判年月日: 平成4年10月6日 / 結論: 棄却
土地区画整理事業計画の決定は、その公告がされた段階においても、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。 (補足意見がある。)
事件番号: 昭和52(行ツ)71 / 裁判年月日: 昭和52年12月23日 / 結論: 棄却
土地区画整理法二〇条三項所定の利害関係者の意見書に係る意見を採択すべきでない旨の都道府県知事の通知は、取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」にあたらない。