一 自衛隊演習場内において行われる実弾射撃訓練は、抗告訴訟の対象とならない。 二 自衛隊演習場内における実弾射撃訓練の実施に際し防衛施設局長が行う右演習場内への立入禁止措置は、抗告訴訟の対象とならない。
一 自衛隊演習場内において行われる実弾射撃訓練と抗告訴訟の対象 二 防衛施設局長が行う自衛隊演習場内への立入禁止措置と抗告訴訟の対象
行政事件訴訟法3条1項,防衛庁設置法6条1号,防衛庁設置法12号,防衛庁設置法43条,防衛庁設置法53条
判旨
自衛隊による射撃訓練及びこれに伴う立入禁止措置は、いずれも抗告訴訟の対象となる「公権力の行使」には当たらない。
問題の所在(論点)
自衛隊の射撃訓練及び訓練に伴う立入禁止措置が、行政事件訴訟法上の「公権力の行使」(処分性)に該当するか。
規範
抗告訴訟の対象となる「公権力の行使」とは、行政庁の行為のうち、直接国民の権利義務を決定し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。権力的な事実行為については、特定の者の権利自由を直接制限し、または義務を課す法的効果を有するかが判断の基準となる。
重要事実
上告人らが、自衛隊による射撃訓練の実施及びそれに付随して行われる訓練区域への立入禁止措置の差し止めを求めて訴えを提起した事案。原審は、これらの行為が「公権力の行使」に該当しないとして、訴えを不適法と判断した。
事件番号: 平成22(行ヒ)124 / 裁判年月日: 平成23年6月14日 / 結論: 破棄自判
市営の老人福祉施設の民間事業者への移管に当たり,その相手方となる事業者の選考のための公募に提案書を提出して応募した者が,市長から,その者を相手方として上記移管の手続を進めることは好ましくないと判断したので提案について決定に至らなかった旨の通知を受けた場合において,上記移管は市と相手方となる事業者との間で契約を締結するこ…
あてはめ
自衛隊の射撃訓練は、行政組織内部の事実行為にすぎず、直接国民の権利義務を形成する法的効果を伴わない。また、訓練に伴う立入禁止措置も、訓練の安全確保や円滑な実施を目的とする事実上の制限にとどまり、国民に対して直接新たな法的義務を課し、またはその権利を法律上制限する性質のものとは認められない。
結論
本件射撃訓練及び立入禁止措置はいずれも「公権力の行使」に当たらないため、これらを対象とする差止請求の訴えは不適法である。
実務上の射程
行政権の行使が単なる事実行為にとどまる場合や、行政組織内部の活動にすぎない場合には処分性が否定されることを示す。事実行為の差止請求を検討する際、処分性の有無を否定する根拠として活用できるが、現在は差止訴訟(行訴法3条7項)が法定されている点に留意が必要である。
事件番号: 昭和27(オ)533 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政庁による「承認」が、国民の権利義務を直接的に形成し、またはその範囲を確定する効果を有しない場合には、行政事件訴訟法上の取消訴訟の対象となる行政処分には該当しない。 第1 事案の概要:上告人は、行政庁が行った特定の「承認」について、その違法を理由に取消訴訟を提起した。しかし、当該承認行為が国民の…
事件番号: 昭和38(オ)1306 / 裁判年月日: 昭和41年4月14日 / 結論: 棄却
上告状についての印紙追貼命令およびこれに関連する措置等に対する救済は、民事訴訟法所定の不服申立方法によるべく、審級その他の定めから上訴による不服申立のみちのない場合においても、これに裁判所法第八二条に基づく司法行政監督上の措置を求めることはできない。