訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを必要としない。
口頭弁論を経ないで控訴を棄却する判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否
民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
判旨
訴えが不適法で補正不能な場合に、控訴審が口頭弁論を経ず控訴を棄却する際、当事者に対する判決言渡期日の告知および呼出手続は不要である。
問題の所在(論点)
訴えが不適法で補正不能なことを理由に口頭弁論を経ず控訴を棄却する場合(旧民訴法384条、現行319条類推等)、当事者に対する判決言渡期日の告知および呼出手続(民訴法155条等参照)が必要か。
規範
訴えが不適法であり、かつその欠缺を補正することができない場合、控訴審は第一審の判断を相当と認めるときは、口頭弁論を経ないで控訴を棄却することができる。この場合、裁判所は当事者に対して判決言渡期日の告知および呼出手続を行うことを要しない。
重要事実
被上告人(原告)が提起した訴えについて、第一審は被上告人が当事者能力を有しない(訴えが不適法かつ補正不能)として却下した。これに対し上告人(被告)が控訴したが、控訴審(原審)は、口頭弁論を経ることなく、また判決言渡期日の告知や呼出手続も行わずに、控訴を棄却する判決を言い渡した。上告人は、この手続が民事訴訟法の規定に違反するとして上告した。
あてはめ
本件では、被上告人が当事者能力を欠いており、訴えの不適法が補正不可能な状態にある。このような場合、控訴審が第一審の判断を相当と認めて口頭弁論を経ずに控訴を棄却する際、実質的な審理が行われない以上、当事者に期日を告知して出頭を求める手続的利益は乏しい。したがって、民訴法202条(現行155条等に対応)および384条(現行319条類推等に対応)の趣旨に基づき、言渡期日の告知・呼出しは不要と解される。
結論
口頭弁論を経ずに控訴を棄却する場合、判決言渡期日の告知および呼出手続は不要であり、原審の手続に違法はない。上告棄却。
実務上の射程
訴訟要件の欠欠が明白かつ補正不能な事案における、控訴審の簡易迅速な裁判手続を認めたものである。答案上は、訴訟能力や当事者能力の欠如など「補正不能な不適法」がある場合の特別の手続的規律として引用し得るが、適正手続の観点から適用範囲は限定的に解すべきである。
事件番号: 昭和27(オ)760 / 裁判年月日: 昭和27年9月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】送達の方法が従来の慣例と異なる「郵便に付する送達」であったために上告期間を遵守できなかったとしても、それは当事者の責めに帰することができない事由には当たらないため、訴訟行為の追完は認められない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の送達を昭和27年5月13日に受けたが、上告状を提出したのは上告期間…
事件番号: 昭和62(オ)457 / 裁判年月日: 昭和62年10月1日 / 結論: 棄却
訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを要しない。
事件番号: 昭和47(オ)1103 / 裁判年月日: 昭和48年11月30日 / 結論: 棄却
適法な呼出を受けながら当事者双方が口頭弁論期日に出頭しない場合に、本人尋問の採用を取消す決定が言渡されたときは、右決定の告知は、当事者双方に対してその効力を生ずる。