当事者の一方が適法な呼出を受けながら口頭弁論期日に出頭しない場合に、裁判所が口頭弁論を終結し、裁判長において判決言渡期日を指定してこれを当事者に告知したときは、その告知は、在廷しない当事者に対してもその効力を有する。
口頭弁論期日に出頭しなかつた当事者に対する判決言渡期日の告知。
民訴法207条,民訴法190条2項
判旨
当事者の一方が適法な呼出しを受けながら欠席した期日において、裁判所が弁論を終結し判決言渡期日を指定・告知した場合、その告知は在廷しない当事者に対しても効力を生じる。したがって、当該不在当事者に対し、改めて判決言渡期日の呼出状を送達する必要はない。
問題の所在(論点)
適法な呼出しを受けた当事者が欠席した期日において判決言渡期日が指定・告知された場合、当該欠席当事者に対して別途の期日呼出し(送達)が必要か。期日指定の告知の効力が不在当事者に及ぶかが問題となる。
規範
当事者の一方が適法な呼出しを受けながら口頭弁論期日に出頭しない場合において、裁判所が審理を終結し、裁判長が判決言渡期日を指定して当該期日に出頭すべき旨を告知したときは、その告知は、民事訴訟法上の規定(旧法207条、190条2項)に基づき、在廷しない当事者に対してもその効力を有する。この場合、改めて判決言渡期日の呼出状を送達することは不要である。
重要事実
上告代理人は、昭和23年1月20日の口頭弁論期日について期日変更申請を行っていたが、原審はこれを認めず、当該期日に上告代理人が欠席した状態で弁論を終結した。その際、裁判所は同年2月3日を判決言渡期日として指定・告知したが、欠席していた上告代理人に対しては、別途その期日の通知(呼出状の送達)を行わなかった。上告人は、この通知を欠いたことが違法であるとして上告した。
あてはめ
本件において、上告代理人は適法な呼出しを受けながら口頭弁論期日に出頭していない。裁判所が当該期日において適法に審理を終結し、判決言渡期日を指定・告知した以上、その告知の効力は在廷していない上告代理人にも直接及ぶ(民事訴訟法94条、155条参照)。したがって、裁判所が別途呼出状を送達しなかったとしても、手続上の違法は存在しないといえる。
結論
判決言渡期日の告知は不在当事者にも効力を有するため、呼出状の送達を欠いた原審の判断に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
欠席判決や期日管理に関する手続的適法性の検討において、期日指定の告知(民訴法94条)の効力範囲を確定させる際に活用できる。特に、当事者が期日変更申請を出したものの認められずに欠席した場合でも、送達による呼出しがなされていたのであれば、その後の判決言渡手続に特別の送達は不要であることを示す射程を持つ。
事件番号: 昭和42(オ)929 / 裁判年月日: 昭和42年12月21日 / 結論: 棄却
補助参加人に対する期日の呼出がなく訴訟手続が進められた場合でも、この違法は被参加人と相手方との間の判決に影響を及ぼすものではない。
事件番号: 昭和39(オ)1099 / 裁判年月日: 昭和40年7月16日 / 結論: 棄却
(昭和二三年(オ)第一九号昭和二三年五月一八日第三小法廷判決(判例集第二巻五号一一五頁)を参照する判決例)。
事件番号: 昭和47(オ)1103 / 裁判年月日: 昭和48年11月30日 / 結論: 棄却
適法な呼出を受けながら当事者双方が口頭弁論期日に出頭しない場合に、本人尋問の採用を取消す決定が言渡されたときは、右決定の告知は、当事者双方に対してその効力を生ずる。