相手方の住所を知りながら公示送達の申立をし、相手方の欠席のまま勝訴の確定判決を得たとしても、民訴法四二〇条一項三号の再審事由にあたらない。
不実の公示送達申立により確定判決を得た場合と再審事由
民訴法178条,民訴法420条1項3号
判旨
旧民事訴訟法420条1項3号(現行338条1項3号)の再審事由に関し、代理権の欠缺を主張する上告について、原審がこれを否定した判断は正当であるとして上告を棄却した。
問題の所在(論点)
旧民事訴訟法420条1項3号(現行338条1項3号)にいう「代理権の欠缺」があるといえるか。具体的には、上告人が主張する事由が同号の再審事由としての適格を有するか。
規範
代理権の欠缺(現行民事訴訟法338条1項3号)を再審事由とするためには、本人が訴訟行為を追認せず、かつ当該訴訟手続において有効な代理権が存在しなかったことが認められなければならない。特段の事情がない限り、形式的な代理権の有無のみならず、実質的な欠缺の有無が問われる。
重要事実
上告人は、旧民事訴訟法420条1項3号(現行338条1項3号)に規定される再審事由があるとして再審を申し立てた。原審は、上告人が主張する事由は同号の再審事由に該当しないと判断した。上告人は、この原審の判断に不服があるとして上告した。
あてはめ
判決文からは上告人の主張した具体的な事由の詳細は不明であるが、最高裁判所は原審の判断、すなわち「上告人の主張する事由は再審事由に該当しない」とした結論を、正当として是認した。これにより、本件における事実関係の下では、法定の再審事由を充足するほどの重大な代理権の欠陥は認められないと判断されたものといえる。
結論
上告人の主張する事由は民事訴訟法上の再審事由に該当しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決自体は極めて短文であるが、再審事由としての「代理権の欠缺」の認定において、原審の広範な裁量ないし事実認定を尊重する姿勢を示すものである。実務上、再審事由の主張には厳格な該当性が求められることを再確認する際に参照される。
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