国民年金法(昭和四一年法律第六七号による改正前のもの)七九条の二第六項、六五条一項、三項、六項の各規定は、憲法二五条、一四条違反の問題を生じない。
国民年金法(昭和四一年法律第六七号による改正前のもの)七九条の二第六項、六五条一項、三項、六項と憲法二五条、一四条
憲法14条,憲法25条,国民年金法(昭和41年法律第67号による改正前のもの)79条の2第6項,国民年金法(昭和41年法律第67号による改正前のもの)65条1項,国民年金法(昭和41年法律第67号による改正前のもの)65条3項,国民年金法(昭和41年法律第67号による改正前のもの)65条6項
判旨
社会保障法制における公的年金相互間の併給調整は、立法府の広い裁量に属する事柄であり、受給者の範囲等について合理的理由のない不当な差別的取扱いをしない限り、憲法25条および14条に違反しない。
問題の所在(論点)
同一人に同一の性格を有する二以上の公的年金が支給されるべき場合(複数事故)において、公的年金相互間の併給調整を行うことが憲法25条に違反するか。また、扶助料の種類によって老齢福祉年金の受給に関して差別が生じることが憲法14条に違反するか。
規範
憲法25条の下で社会保障給付の全般的公平を図るための併給調整を行うか否かは、立法府の広い裁量に属する。また、同条の要請に応える法令において受給者の範囲等に差別的取扱いを設ける場合であっても、それが著しく不合理なものでない限り、憲法14条の規定する平等原則に違反しない。
重要事実
上告人は、増加非公死扶助料を受けることができる地位にあるが、国民年金法(昭和41年改正前)の併給調整条項により、老齢福祉年金の支給が制限された。上告人は、戦争公務扶助料受給者との間に生じる受給の可否に関する差異が憲法14条および25条に違反すると主張して争った。
事件番号: 昭和54(行ツ)110 / 裁判年月日: 昭和57年12月17日 / 結論: 棄却
国民年金法二〇条の規定は、憲法一四条違反の問題を生じない。
あてはめ
複数事故において稼得能力の喪失程度は事故数に必ずしも比例しないため、併給調整は立法府の裁量内である。本件の増加非公死扶助料受給者と戦争公務扶助料受給者との間の差別についても、戦争公務扶助料の特殊な法的性格に照らせば、その差別は著しく不合理なものとは認められない。
結論
本件併給調整条項は、憲法25条および14条に違反しない。したがって、上告人の請求は認められず、上告を棄却する。
実務上の射程
堀木訴訟大法廷判決を引用・踏襲した判決であり、社会権的側面を持つ公的給付の制限に関する憲法14条違反の審査基準が「著しく不合理」か否かという緩和された枠組みであることを示している。答案上は、社会保障分野における立法府の裁量の広さを論じる際に、併給調整という具体的場面の例として活用できる。
事件番号: 昭和51(行ツ)30 / 裁判年月日: 昭和57年7月7日 / 結論: 棄却
一 児童扶養手当法(昭和四八年法律第九三号による改正前のもの)四条三項三号は、憲法二五条に違反しない。 二 児童扶養手当法(昭和四八年法律第九三号による改正前のもの)四条三項三号は、憲法一四条、一三条に違反しない。
事件番号: 平成27(行ツ)375 / 裁判年月日: 平成29年3月21日 / 結論: 棄却
地方公務員災害補償法32条1項ただし書及び附則7条の2第2項のうち,死亡した職員の夫について,当該職員の死亡の当時一定の年齢に達していることを遺族補償年金の受給の要件としている部分は,憲法14条1項に違反しない。
事件番号: 昭和60(行ツ)92 / 裁判年月日: 平成元年3月2日 / 結論: 棄却
国民年金法(昭和五六年法律第八六号による改正前のもの)一八一条一項の障害福祉年金の支給について適用される同法五六条一項ただし書は、憲法二五条、一四条一項に違反しない。
事件番号: 平成18(行ツ)227 / 裁判年月日: 平成19年10月9日 / 結論: 棄却
1 立法府が,(1)国民年金法(平成元年法律第86号による改正前のもの)において,同法7条1項1号イ所定の学生等につき,国民年金の強制加入による被保険者とせず,任意加入のみを認めることとし,これに伴い上記学生等を強制加入による被保険者との間で加入及び保険料納付義務の免除規定の適用に関して区別したこと,及び(2)上記改正…