商法五七八条所定の高価品とは、容積または重量の割に著しく高価な物品をいうものと解すべきである。
商法五七八条所定の高価品の意味
商法578条
判旨
商法578条(現577条)所定の「高価品」とは、容積または重量の割に著しく高価な物品をいい、巨大な研磨機のように高価であることが一見して明瞭な物品はこれに該当しない。
問題の所在(論点)
容積・重量が大きく、かつ高価であることが外観上判別しやすい物品が、商法578条(現577条)の「高価品」に該当するか。
規範
商法578条(現577条)にいう「高価品」とは、物品の容積または重量の割に著しく高価な物品を指す。これは、運送人が損害賠償責任の範囲を予測し、適切な保管体制や運賃の設定を行う機会を確保するための規定であるから、外観から高価であることが明瞭なものは含まれない。
重要事実
運送の対象となった物品は研磨機であり、その容積および重量はともに相当に巨大なものであった。また、当該研磨機は、その価格が高価であることが一見して明瞭な品種であった。運送途上の事故等を理由とする損害賠償請求に対し、運送人側は、荷送人が種類および価額を通知していなかったとして、同条の免責規定の適用を主張した。
あてはめ
本件研磨機は、容積および重量が相当に巨大であり、「容積または重量の割に著しく高価」という要件を満たさない。また、一見して高価な品種であることが明瞭であれば、運送人において相応の注意を払うべきことが予測可能であり、あえて通知を欠いたことを理由に運送人を免責する必要性はない。したがって、本件研磨機は高価品には当たらないと解される。
結論
本件研磨機は商法578条(現577条)所定の高価品には当たらず、同条の適用または類推適用により運送人が免責されることはない。
実務上の射程
商法上の「高価品」の定義を明示した重要判例である。答案上は、貴金属や美術品のように「小さくて高い」ものが典型例であることを踏まえ、本件のような大型機械類については、外観からの高価性の判別可能性を考慮して同条の適用を否定する論理として活用すべきである。
事件番号: 昭和44(オ)543 / 裁判年月日: 昭和48年4月19日 / 結論: 破棄差戻
一、運送品の損傷があつた場合に発せられる国際海上物品運送法一二条一項所定の通知書には、荷受人または船荷証券所持人が運送品の点検をした結果知りえたその損傷の種類および程度の概略が、損傷の概況として、記載されなければならない。 二、船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載は、運送品が包装ないし荷造されてい…