償却資産課税台帳に所有者として登録されたことを理由とする不服の申立ては、固定資産評価審査委員会に対する審査の申出および審査決定に対する取消しの訴えによつてのみ、これを主張することができる(行政事件裁判例集一九巻三号24課税処分取消請求事件参照)。
償却資産課税台帳に所有者として登録されたことを理由とする不服申立ての方法
地方税法343条,地方税法432条,地方税法434条
判旨
固定資産税の課税処分において、課税台帳に登録された事項に不服がある場合は、固定資産評価審査委員会に対する審査の申出及びその決定に対する取消訴訟の手続によらなければならず、直接課税処分の取消しを求めることはできない。
問題の所在(論点)
固定資産課税台帳に登録された事項(所有者の認定等)について不服がある場合、納税者はどのような手続を経て争うべきか。評価審査委員会の決定を経ずに、直接課税処分の取消しを求めることができるか。
規範
地方税法(当時)において、固定資産課税台帳に登録された事項に関する不服は、同法432条1項に基づく固定資産評価審査委員会への審査の申出、及び同法434条1項に基づく審査決定の取消訴訟によってのみ争うことができる(同条2項)。また、課税処分自体の取消訴訟を提起するには、原則として審査請求に対する裁決を経る必要があるが、評価審査委員会への審査申出等をもってこれに代えることはできない。
重要事実
上告人は、償却資産課税台帳に所有者として登録されていることを理由に固定資産税の課税処分を受けた。上告人は自身が当該物件の所有者であることを争い、固定資産評価審査委員会に審査の申出をしたが棄却された。上告人は、当該審査決定の取消訴訟を提起することなく、直接、都知事が行った本件課税処分自体の取消しを求めて出訴した。
あてはめ
上告人が所有者であることを争う点は「固定資産課税台帳に登録された事項」に関する不服に該当する。この場合、地方税法の規定に基づき、評価審査委員会の棄却決定に対して取消訴訟を提起すべきであった。上告人はこれを経ずに課税処分の取消しを求めているが、課税処分に対する取消訴訟は審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起できない。評価審査委員会に対する手続は、知事に対する審査請求の手続とは別個独立のものであり、前者を後者の代わりとすることはできないため、上告人の主張は不適法である。
結論
本件課税処分の取消訴訟は不適法であり、上告を棄却する。
実務上の射程
行政法における「特別の不服申立手続(前置手続)」と、争訟の対象を限定する法理(排他的管轄)を説明する際に有用である。固定資産税に関しては、評価額や所有者といった台帳登録事項の不服は評価審査委員会を通じた特定の手続に限定されており、課税処分そのものの取消事由として台帳事項の誤りを直接主張することはできないという「争訟経路の分化」を示す重要判例である。
事件番号: 昭和43(行ツ)10 / 裁判年月日: 昭和49年9月2日 / 結論: 破棄差戻
地方税法七三条の四第一項六号及び三四八条二項一二号所定の「学術の研究を目的とする」法人とは、その定款又は寄附行為の目的条項に日本学術会議法一〇条に定める区分によつて示されるような意味における人文科学及び自然科学の学理的研究並びにその応用に関する研究を行う趣旨を掲げ、かつ、その組織運営及び活動の実体からみて右研究という目…
事件番号: 平成8(行ツ)54 / 裁判年月日: 平成11年6月10日 / 結論: 棄却
相続財産に属する特定の財産を計算の基礎としない相続税の期限内申告書が提出された場合において、納税者が当該財産が相続財産に属さないか又は属する可能性が小さいことを客観的に裏付けるに足りる事実を認識して期限内申告書を提出したときは、国税通則法六五条四項にいう「正当な理由」がある。
事件番号: 昭和28(オ)616 / 裁判年月日: 昭和30年3月23日 / 結論: 棄却
一 土地台帳若しくは土地補充課税台帳に一月一日に所有者として登録されている者は、納期において所有権を有しなくてもその年の四月一日に始まる年度の固定資産税の納税義務を負う。 二 地方税法第三四三条および第三五九条は憲法第一一条、第一二条、第一四条、第二九条、第三〇条、第六五条に違反しない。