相続財産に属する特定の財産を計算の基礎としない相続税の期限内申告書が提出された場合において、納税者が当該財産が相続財産に属さないか又は属する可能性が小さいことを客観的に裏付けるに足りる事実を認識して期限内申告書を提出したときは、国税通則法六五条四項にいう「正当な理由」がある。
相続税の期限内申告書において相続財産に属する特定の財産が納付すべき税額の計算の基礎とされていなかったことについて国税通則法六五条四項にいう「正当な理由」がある場合
国税通則法65条1項,国税通則法65条4項,相続税法11条,相続税法27条
判旨
相続税の期限内申告において特定の財産を除外したことに国税通則法65条4項(現5項)の「正当な理由」があるというためには、納税者が当該財産の非相続性を客観的に裏付ける事実を認識していたことを要する。
問題の所在(論点)
国税通則法65条4項(現5項)の「正当な理由」の存否に関し、特定の財産を相続財産から除外して申告した場合に、どのような事実を主張・立証すれば「正当な理由」が認められるか。
規範
相続財産に属する特定の財産を計算の基礎としない期限内申告がなされた後に修正申告がされた場合、国税通則法65条4項(現5項)にいう過少申告加算税を課さない「正当な理由」があるといえるためには、納税者において、当該財産が相続財産に属さないか、又は属する可能性が小さいことを客観的に裏付けるに足りる事実を認識して期限内申告書を提出したことを主張・立証する必要がある。
重要事実
上告人らは、相続財産に属する特定の不動産(本件不動産)を計算の基礎に含めずに相続税の期限内申告を行った。その後、税務署職員による実地調査が行われ、申告内容の不適正を指摘されて修正申告を促されたため、これに応じて修正申告を行った。上告人らは、当該不動産を申告しなかったことについて、過少申告加算税の免除要件である「正当な理由」があると主張して争った。
事件番号: 平成18(行ヒ)295 / 裁判年月日: 平成19年7月6日 / 結論: その他
納税者が平成12年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ,同権利行使益が給与所得に当たるとして増額更正がされた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,納税者が同権利行使益を一時所得として申告し,同権利…
あてはめ
本件において、上告人らは「正当な理由」の根拠となる事実を主張立証しているが、それらは本件不動産が相続財産に属さないことや、その可能性が小さいことを客観的に裏付けるに足りる事実の認識を示すものとしては不十分である。また、税務職員の調査・指摘を受けて修正申告がなされた事実に鑑みれば、更正があるべきことを予知してされたものでない(同条5項、現1項・2項但書)ともいえない。したがって、適法に確定した事実関係を総合考慮しても、上告人らに「正当な理由」があったとは認められない。
結論
納税者が当該財産の非相続性を客観的に裏付ける事実を認識していたと認められない以上、「正当な理由」があるとはいえず、過少申告加算税の賦課は適法である。
実務上の射程
申告漏れに関する過少申告加算税の回避において、納税者の「主観的な善意」だけでは足りず、客観的根拠に基づく認識が必要であることを示した。答案上は、加算税の免除要件(正当な理由)を解釈する際の判断基準として引用し、具体的事実から「客観的裏付けがある認識といえるか」を論じる際に用いる。
事件番号: 昭和43(行ツ)61 / 裁判年月日: 昭和47年12月5日 / 結論: 棄却
一、法人税青色申告についてした更正処分の通知書に、係争事業年度所得の更正の理由として、「営業譲渡補償金計上もれ一一五五万円」、「認定利息(代表者)計上もれ一万九八三九円」、清算所得の更正の理由として、「代表者仮払金三九万六八九〇円」、「営業譲渡補償金九〇五万円」と記載されているにすぎない場合には、いずれも理由附記として…
事件番号: 昭和50(行ツ)94 / 裁判年月日: 昭和51年4月27日 / 結論: 破棄差戻
課税処分を受けていまだ当該課税処分にかかる税を納付していない者は、右課税処分の無効確認を求める訴を提起することができる。
事件番号: 昭和29(オ)64 / 裁判年月日: 昭和31年6月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】課税処分における所得額の算定について、仕入商品に対する利益率を推計により認定すること、および雑損金の有無を原審の判断に委ねることは、法令の解釈に関する重要な主張を含まない適法なものとされる。 第1 事案の概要:上告人は、税務当局による所得算定の基礎となった利益率の推計方法および雑損金の不算入につい…
事件番号: 昭和44(行ツ)22 / 裁判年月日: 昭和49年5月30日 / 結論: 棄却
旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)一三条一項二号は、法人が合併した場合の清算所得中には、合併の場合に合併法人が納付する被合併法人の清算所得に対する法人税額、その法人税額に係る道府県民税額及び市町村民税額並びに清算所得に対する事業税額に相当する金額を含む趣旨を定めたものと解すべきである。