訴訟係属中に当事者が死亡し、数人の相続人がある場合に、右相続人らが限定承認をし、民法第九三六条の規定による相続財産管理人が選任されたときは、右訴訟を承継する者は共同相続人であつて、相続財産管理人はその法定代理人として受継の申立をなすべきであつて、相続財産管理人が訴訟を承継するものではない。 (注・本件は相続財産管理人が承継人として受継申立をしたが、その後、追完されて右の取扱いがされたものである。)
共同相続人が限定承認をした場合と民法第九三六条によつて家庭裁判所が選任した相続財産管理人の訴訟上の地位
民法936条,民訴法208条
判旨
融通手形の振出人が受取人に対して主張し得る人的抗弁は、その認定事実に照らして採用し難い場合には排斥されるべきであり、かつ、原審で主張していない新たな事実関係を上告理由とすることはできない。
問題の所在(論点)
1. 融通手形の振出人が受取人に対して主張する人的抗弁および実質的無権利の抗弁の成否。 2. 原審で主張していなかった事実関係(手形の交付先が異なること)を上告理由とすることの是非。
規範
手形法上の人的抗弁(同法17条)に関し、融通手形の抗弁および実質的無権利の抗弁が認められるためには、その前提となる原因関係の不存在や権利移転の不備などの事実認定が必要である。また、民事訴訟法上の上告審においては、原審で主張していない事実関係を前提とする主張は、適法な上告理由とは認められない。
重要事実
上告人は、訴外亡Dに対して本件各手形を振り出したが、これは融通手形であるとして人的抗弁およびDが実質的無権利者である旨を主張した。また、上告審において新たに、本件各手形はDではなく訴外E(ことF)に対して融通手形として交付されたものであるとも主張した。
あてはめ
1. 原審の事実認定によれば、上告人が主張する融通手形の抗弁および亡Dの実質的無権利の抗弁は、認定された事実に照らし採用できないと判断されており、その判断は証拠に照らして適正である。 2. 上告人が主張する「手形はEに交付された」という事実は、原審において主張されていなかった。民事訴訟の構造上、原審で提出されなかった事実関係を前提とする主張は、法律審である上告審の審判対象とはなり得ない。
結論
上告人の抗弁を排斥した原判決に違法はなく、また原審で主張していない事実を前提とする論旨は採用できない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
手形訴訟において融通手形の人的抗弁を構成する際、具体的な原因関係の存否についての事実認定が決定的な意味を持つことを示す。また、民事訴訟法上の更新権の制限(上告審における新主張の禁止)という基礎的な原則を確認する事例として機能する。
事件番号: 昭和33(オ)305 / 裁判年月日: 昭和33年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原判決の証拠取捨や事実認定の非難に帰する場合、それは適法な上告理由とは認められない。 第1 事案の概要:上告人らは、原判決が行った証拠の取捨、判断、および事実の認定に誤りがあるとして上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):事実認定や証拠の取捨選択に対する不服申し立てが、適法な上告理…