運転者が、中心線のある幅員約一六メートルの道路において時速約四〇キロメートルで運転中、附近にある横断歩道を迂回せず酔余のためその前方約二〇メートルの地点を横断中の被害者を発見し、時速約一〇キロメートルに減速して、被害者に近づいたところ、大体道路を横断し終つた被害者が、一、二歩後退したため、自動車の左照灯附近に衝突した等、原判示の事実関係(原判決理由参照)のもとにおいては、運転者は民法七〇九条による賠償義務を、また自動車運行供用者は自動車損害賠償保障法三条による賠償義務を負わない。
自動車運転者および自動車運行供用者に賠償義務がないとされた事例
民法709条,自動車損害賠償保障法3条
判旨
最高裁は、原判決が認定した事実関係に基づけば、下級審の判断は適法であり、上告理由に当たらないとして棄却した。
問題の所在(論点)
原判決の事実認定に挙示の証拠に照らした違法があるか、および確定した事実関係に基づく法的判断が正当であるか。
規範
上告審において原判決の事実認定を争うためには、その事実認定が挙示の証拠に照らして不合理であることを要する。原判決の事実関係の認定および法的判断に違法が認められない場合には、上告を棄却すべきである(民事訴訟法旧401条、現396条・384条参照)。
重要事実
上告人は、原判決(第一審判決を引用したもの)の事実認定に違法があるとして上告した。しかし、具体的な事案の内容については本判決文からは不明である。上告人は、証拠関係に照らして事実認定を是認できない旨を主張した。
あてはめ
最高裁は、原判決(および引用された第一審判決)がした事実認定について、挙示された証拠に照らして肯認できると判断した。したがって、事実認定に違法があるとする所論は採用できない。また、確定した事実関係のもとでの原判決の法的判断も首肯でき、違法はないと解される。
結論
原判決の事実認定および法的判断に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、具体的な事案内容は不明ながら、事実認定の違法を理由とする上告に対して、証拠照らしによる合理性を確認して棄却した典型的な事例判決である。答案上は、事実認定の違法を争う場合のハードルの高さを示すものとして参照され得る。
事件番号: 昭和50(オ)444 / 裁判年月日: 昭和50年10月17日 / 結論: 棄却
嫌忌される施設の設置、運営による損失が不法行為に基づき賠償すべき損害にあたるか否かは、被侵害利益ないし権利の性質、程度、施設の社会的有用性、損害の発生を防止、軽減すべき処置をとりうる可能性、施設設置の意図、設置場所等諸般の事情を総合して、社会通念上受忍すべき限度をこえるか否かによつて決められるべきであるところ、本件火葬…