被控訴代理人のみが出頭した控訴審の口頭弁論期日の調書に、被控訴代理人の陳述として「原判決事実摘示のとおり原審口頭弁論の結果陳述」と記載されているときは、被控訴代理人において当事者双方にかかり、かつ証拠調の結果をも含む第一審口頭弁論の結果を陳述した趣旨を記載したものであつて、被控訴代理人は、その記載にそう陳述をしたものと認めるべきである。
控訴審の口頭弁論調書に当事者一方の訴訟代理人の陳述として「原判決事実摘示のとおり原審口頭弁論の結果陳述」と記載されている場合の解釈
民訴法377条2項
判旨
控訴審において当事者の一方が欠席した場合、出頭した当事者に双方の第1審口頭弁論の結果(証拠調べの結果を含む)を陳述させることができる。
問題の所在(論点)
控訴審において一当事者が欠席した場合に、出頭した当事者が行う「第1審口頭弁論の結果」の陳述に、欠席した当事者側の主張や証拠調べの結果を含めることができるか。
規範
民事訴訟法297条(旧377条2項)にいう「口頭弁論の結果」には、第1審における証拠調べの結果も含まれる。また、控訴審の期日に当事者の一方が欠席した場合には、出頭した方の当事者に対し、自己のみならず欠席した相手方の分も含む「当事者双方にかかる第1審口頭弁論の結果」を陳述させることが可能である。
重要事実
控訴審の第1回口頭弁論期日において、控訴人(上告人)及びその訴訟代理人が欠席し、被控訴人(相手方)代理人のみが出頭した。当該期日の口頭弁論調書には、被控訴代理人の陳述として「原判決事実摘示のとおり原審口頭弁論の結果陳述」との記載がなされた。上告人は、これにより自己の提出した証拠資料が適法に斟酌されていないと主張して上告した。
あてはめ
口頭弁論調書に「原審口頭弁論の結果陳述」と記載されている場合、それは出頭した当事者が双方の主張及び証拠調べの結果を包括して陳述した趣旨であると解するのが相当である。本件においても、出頭した被控訴代理人が、上告人の提出した証拠資料を含む第1審の審理結果を陳述したものと認められる。したがって、原審が上告人提出の証拠資料を考慮していないとする主張は前提を欠く。
結論
控訴審において、出頭した当事者に双方の第1審口頭弁論の結果を陳述させた手続に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
控訴審における第1審の結果更新(民訴法297条、161条2項)の解釈を示す。実務上、欠席判決を避けて続行する場合の「陳述」の範囲を広く認めるものであり、答案上は控訴審の審理構造や証拠の援用の要否が問題となる場面で活用できる。
事件番号: 昭和36(オ)949 / 裁判年月日: 昭和37年10月5日 / 結論: 棄却
民訴法第一三八条は(被控訴人不出頭の場合にも)控訴審において適用がある。