民訴法第一三八条は(被控訴人不出頭の場合にも)控訴審において適用がある。
控訴審における民訴法第一三八条の適用の有無。
民訴法138条
判旨
控訴審においても、第一審と同様に訴状や答弁書等の陳述擬制の規定(現行民事訴訟法158条、263条等)が適用される。そのため、上告人が控訴審の口頭弁論期日に欠席しても、提出済みの答弁書を陳述したものとみなす措置は適法である。
問題の所在(論点)
控訴審の第1回口頭弁論期日において、出頭しない当事者が提出した準備書面(答弁書)の内容を陳述したものとみなすこと(現行民訴法158条の控訴審への適用)ができるか。
規範
控訴審においても、第一審の手続に関する規定が準用される(現行民訴法297条)。したがって、原告(控訴人)または被告(被控訴人)が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しない場合であっても、提出した訴状、答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる(現行民訴法158条の準用)。
重要事実
上告人(被上告人の控訴に対し、原審において被控訴人であった者と推認される)は、原審(控訴審)の第1回口頭弁論期日に出頭しなかった。これに対し、原審は上告人が提出していた答弁書を陳述したものとみなす措置(陳述擬制)をとった上で、上告人の主張については立証がないものとして排斥し、判決を下した。上告人は、この原審の措置を違法であるとして上告した。
あてはめ
最高裁判例の示す通り、現行民訴法158条(旧138条)の規定は控訴審においても適用される。本件において、上告人が原審の第1回口頭弁論期日に出頭しなかった際、原審が上告人の提出した答弁書の内容を陳述したものとみなしたことは、同条の規定に基づく適法な手続である。陳述擬制がなされた以上、上告人の主張は訴訟資料となったが、それに対する証拠調べ等の立証がなされない以上、原審が当該主張を証拠不足として排斥したことに何ら違法はない。
結論
控訴審においても陳述擬制の規定は適用されるため、出頭しない当事者の答弁書を陳述したものとみなした原審の措置は適法である。上告は棄却される。
実務上の射程
控訴審第1回期日における陳述擬制の可否を確認する際、現行民訴法297条による158条の準用を基礎付ける判例として引用する。第一審のみならず控訴審においても、答弁書等を提出していれば欠席しても直ちに欠席判決等の不利益を被るわけではないという手続的運用の根拠となる。ただし、あくまで「記載事項の陳述」を擬制するものであり、立証の機会を当然に保障するものではない点に注意を要する。
事件番号: 昭和42(オ)1370 / 裁判年月日: 昭和43年5月28日 / 結論: 棄却
被控訴代理人のみが出頭した控訴審の口頭弁論期日の調書に、被控訴代理人の陳述として「原判決事実摘示のとおり原審口頭弁論の結果陳述」と記載されているときは、被控訴代理人において当事者双方にかかり、かつ証拠調の結果をも含む第一審口頭弁論の結果を陳述した趣旨を記載したものであつて、被控訴代理人は、その記載にそう陳述をしたものと…