行政処分は、法令に別段の規定がある場合のほか、その理由附記を欠く故をもつて違法となるものではない。
理由附記を欠く行政処分の効力
法人税法(昭和37年法律67号による改正前のもの)32条
判旨
青色申告の承認を受けていない法人の法人税等について更正処分を行う場合、更正通知書に理由を附記する必要はなく、理由の不備を理由に当該処分を違法とすることはできない。
問題の所在(論点)
青色申告の承認を受けていない納税者(白色申告者)に対する法人税更正処分において、通知書に理由を附記しないことが行政手続上の違法事由となるか。
規範
更正または決定の通知書にその理由を附記すべき義務(理由附記義務)は、当該処分が青色申告書を提出した事業年度分についてなされたものであるときに限って認められる。
重要事実
上告人である会社は、法人税の申告において青色申告の承認を受けていなかった。税務当局は、上告人の所得等について再更正処分を行ったが、その更正通知書には処分の根拠となる理由が記載されていなかった。上告人は、理由附記がないことは手続上の瑕疵であり、当該処分は違法であると主張して争った。
あてはめ
事件番号: 昭和40(行ツ)5 / 裁判年月日: 昭和47年3月31日 / 結論: 棄却
法人税青色申告についてした再更正処分の通知書に、その理由として、「借地権計上洩金三三〇万円」等と記載されており、また、その再調査請求棄却決定の通知書に、その理由として「(株)B工業所並びに(株)Gはともに同族会社であり、資産の譲渡による行為計算は同族会社の行為計算否認に該当するとした当初の処分は相当であり、計算過程によ…
本件に適用される旧法人税法32条(現行法130条等に相当)の規定によれば、理由附記が法的義務となるのは青色申告者に限定されている。上告人は青色申告の承認を受けていないことが事実として確定している以上、通知書に理由が記載されていなくとも、同条違反の瑕疵があるとはいえない。
結論
本件更正処分に手続上の違法はなく、処分は有効である。上告人の請求は認められない。
実務上の射程
行政手続法上の一般原則としての理由附記義務と、税法上の個別規定の関係を整理する際に参照される。青色申告制度の特典(信頼に基づく立証責任の転換等)を背景とした、白色申告との手続的差異を認める判断枠組みとして重要である。
事件番号: 昭和34(オ)660 / 裁判年月日: 昭和35年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が判決の理由を述べる際、第一審判決の理由を引用しつつ、これと矛盾しない範囲で独自の説示を付加して結論を導くことは許される。また、事実認定において個々の証拠判断の理由をいちいち明示しなくても、結論に至る理由が理解可能であれば違法ではない。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)が所得金額を…
事件番号: 昭和51(行ツ)88 / 裁判年月日: 昭和54年4月5日 / 結論: 棄却
一 省略 二 青色申告書に係る法人税の更正処分につき理由雑記の欠如及び推計によつたことの瑕疵がある場合においても、右処分後に青色申告書提出承認取消処分がされたときは、右瑕疵は治癒される。
事件番号: 昭和43(行ツ)61 / 裁判年月日: 昭和47年12月5日 / 結論: 棄却
一、法人税青色申告についてした更正処分の通知書に、係争事業年度所得の更正の理由として、「営業譲渡補償金計上もれ一一五五万円」、「認定利息(代表者)計上もれ一万九八三九円」、清算所得の更正の理由として、「代表者仮払金三九万六八九〇円」、「営業譲渡補償金九〇五万円」と記載されているにすぎない場合には、いずれも理由附記として…