一 省略 二 青色申告書に係る法人税の更正処分につき理由雑記の欠如及び推計によつたことの瑕疵がある場合においても、右処分後に青色申告書提出承認取消処分がされたときは、右瑕疵は治癒される。
一 審査決定通知書の理由附記が不備であるとはいえないとされた事例 二 青色申告書に係る法人税の更生処分の瑕疵と右処分後の青色申告書提出承認取消処分による瑕疵の治癒
旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前の昭和22年法律第28号)25条7項,旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前の昭和22年法律第28号)31条の4,旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前の昭和22年法律第28号)32条,旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前の昭和22年法律第28号)35条5項
判旨
青色申告に対する更正処分等に理由附記を欠く瑕疵があっても、後に青色申告承認の遡及取消処分がなされた場合には、当該瑕疵は治癒される。理由附記制度の趣旨は、判断の慎重・公正を保障し恣意を抑制することにあるため、結論に至る過程が示されている必要がある。
問題の所在(論点)
1. 法人税法上の審査決定における理由附記はどの程度の程度を要するか。 2. 青色申告に対する更正処分等に理由附記の欠損という取消原因たる瑕疵がある場合、その後の青色申告承認の遡及取消処分によって当該瑕疵は治癒されるか。
規範
1. 理由附記の要件:処分機関の判断を慎重ならしめ、恣意を抑制して公正を保障する趣旨から、不服事由に対応し、結論に到達した過程が明らかにされる必要がある。 2. 瑕疵の治癒:青色申告承認が遡及的に取り消された場合、当該期間の申告は白色申告と同一に扱われるため、青色申告であることを前提とした理由附記の欠落という瑕疵は、取消処分によって治癒される。
重要事実
上告人は青色申告の承認を受けていたが、税務署長は理由附記を欠くまま推計課税による再更正・更正処分(本件各処分)を行った。その後、税務署長は上告人の帳簿に不実記載があるとして、青色申告の承認を本件各処分の対象期間に遡って取り消した。上告人は、当初の処分における理由附記の欠如(理由不備)を理由に、処分の取消しを求めて争った。
事件番号: 昭和43(行ツ)61 / 裁判年月日: 昭和47年12月5日 / 結論: 棄却
一、法人税青色申告についてした更正処分の通知書に、係争事業年度所得の更正の理由として、「営業譲渡補償金計上もれ一一五五万円」、「認定利息(代表者)計上もれ一万九八三九円」、清算所得の更正の理由として、「代表者仮払金三九万六八九〇円」、「営業譲渡補償金九〇五万円」と記載されているにすぎない場合には、いずれも理由附記として…
あてはめ
1. 理由附記について:通知書には、不服事由に対し「主張は認められない」「理由がない」等の簡潔な記載しかなかったが、必要最小限度の過程は示されており、理由不備とはいえない。 2. 瑕疵の治癒について:本件各処分当時、理由附記が全く欠けていた点は取消原因たる瑕疵である。しかし、後の遡及取消処分により、法的には白色申告と全く同一に扱われることになった。したがって、青色申告特有の保護要件である理由附記の欠如という瑕疵も、右取消処分によって治癒されたと解するのが相当である。
結論
本件各処分における理由附記の欠如という瑕疵は、その後の青色申告承認取消処分により治癒されたため、処分の取消しは認められない。
実務上の射程
行政上の瑕疵の治癒を認めた稀少な例として知られるが、現在は青色申告に限らず更正処分一般に理由附記が義務化されている。そのため、現在では「理由附記の程度」に関する規範や、後続処分による遡及的効果が先行処分の適法性に与える影響という文脈で参照されるべきである。
事件番号: 昭和40(行ツ)5 / 裁判年月日: 昭和47年3月31日 / 結論: 棄却
法人税青色申告についてした再更正処分の通知書に、その理由として、「借地権計上洩金三三〇万円」等と記載されており、また、その再調査請求棄却決定の通知書に、その理由として「(株)B工業所並びに(株)Gはともに同族会社であり、資産の譲渡による行為計算は同族会社の行為計算否認に該当するとした当初の処分は相当であり、計算過程によ…
事件番号: 昭和41(行ツ)109 / 裁判年月日: 昭和42年9月8日 / 結論: 棄却
行政処分は、法令に別段の規定がある場合のほか、その理由附記を欠く故をもつて違法となるものではない。
事件番号: 昭和45(行ツ)36 / 裁判年月日: 昭和49年4月25日 / 結論: 棄却
一、旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)二五条九項による青色申告書提出承認取消処分の通知書には、右取消が同条入項各号のいずれによるものであるかを附記するのみでは足りず、取消の基因となつた事実をも処分の相手方において具体的に知りうる程度に特定して摘示しなければならない。 二、旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)二五条九項…