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仮換地指定の事実を認定判示しながら従前の土地の所有権に基づく妨害排除請求を認容とした判決に審理不尽、理由不備があるとされた事例
判旨
土地区画整理法に基づく仮換地指定がなされた場合、従前の土地の所有者はその土地を使用収益できなくなり、従前の権原に基づき仮換地を使用収益できる地位を取得する。
問題の所在(論点)
土地区画整理法に基づく仮換地指定がなされた場合に、従前の土地の所有者が、従前の土地の占有者に対して所有権に基づく土地明渡請求を認めることができるか。
規範
土地区画整理法(旧法99条、現行法99条1項参照)の規定により、仮換地の指定の効力発生日以降、従前の土地の所有者または使用収益権者は、従前の土地については使用収益を行うことができなくなる。その一方で、従前の土地について有していた権利(所有権や賃借権等)に基づき、仮換地について従前の土地と同様の使用収益を行うことができる法的地位を承継する。
重要事実
上告人Aらは、D冷蔵株式会社から本件土地を一時使用目的で賃借し、その後、都市計画実施に伴う土地収用までを期間とする使用貸借契約を締結して占有していた。その後、東京都知事により本件土地に対する仮換地指定がなされ、その効力が発生した。これに対し、本件土地の現所有者である被上告人B社が、上告人らに対し、所有権に基づく妨害排除請求として建物の収去および土地の明渡しを求めて提訴した。
あてはめ
本件における賃貸借契約および使用貸借契約は、従前の土地を対象としてなされたものである。仮換地指定の効力が生じている以上、土地区画整理法の規定が適用される結果、従前の土地の所有者(被上告人)は、従前の土地そのものを使用収益する権能を失う。他方で、被上告人は従前の所有権に基づき、指定された仮換地を代わりに使用収益できる立場に移行する。したがって、従前の土地の所有権のみを根拠として、直ちに占有者に対し明渡しを求めることは、法が定める仮換地の利用関係の移転を無視するものであり、実体法の解釈として不適当である。
事件番号: 昭和38(オ)559 / 裁判年月日: 昭和41年1月18日 / 結論: 棄却
従前の土地の一部について賃借権を有する者は、土地区画整理の施行者から、特別都市計画法の下においては換地予定地について使用収益とすることのできる範囲の指定を、また、土地区画整理法の下においては仮換地について仮りに賃借権の目的となるべき宅地またはその部分の指定をうけなければ、土地所有者との関係においても、換地予定地または仮…
結論
仮換地指定がなされた場合、従前の土地の所有者は当該土地の使用収益権を失うため、何ら審理を尽くさずに所有権のみに基づき土地明渡しを認めた原審の判断は、実体法の適用を誤った審理不尽・理由不備の違法がある。
実務上の射程
仮換地指定後の使用収益権の所在を論じる際のリーディングケース。民法上の所有権に基づく請求であっても、特別法(土地区画整理法)による使用収益権の制限・移転を考慮しなければならないことを示す。答案では、仮換地指定によって「使用収益権」が従前の土地から仮換地へと法律上当然に移転することを明示する際に引用する。
事件番号: 昭和45(オ)1003 / 裁判年月日: 昭和47年11月9日 / 結論: 棄却
否定(昭和三四年(オ)三二六号、同三六年三月七日第三小法廷判決・民集一五巻三号三六五頁参照)
事件番号: 昭和34(オ)883 / 裁判年月日: 昭和35年11月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】仮換地等の指定を受けた権利者が取得する使用収益権は、従前の権利が所有権である場合にはこれと同視すべきものであり、不法占拠者に対してその使用収益権を債権者代位により行使することが認められる。 第1 事案の概要:訴外Dは、従前の宅地の所有者として土地区画整理法(当時は特別都市計画法)に基づき本件換地予…
事件番号: 昭和33(オ)1063 / 裁判年月日: 昭和36年9月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地区画整理において、従前の宅地の一部に賃借権を有する者は、施行者による仮換地の指定を受けない限り、当然には仮換地を使用する権限を有しない。仮換地指定が従前の賃借地を含んでなされた場合であっても、土地区画整理法99条3項に基づき、賃借人はその効果として使用権限を取得することはない。 第1 事案の概…
事件番号: 昭和37(オ)225 / 裁判年月日: 昭和39年9月18日 / 結論: 棄却
真宗大谷派の末寺であつて寺院規則を有しない寺が解散する場合には、総代の同意を得て、住職の承継者と目すべきものに残余財産を帰属せしめるという事実たる慣習が存在する。