判旨
選挙の効力に関する争訟の係属中であっても、任期満了に伴う一般選挙(公職選挙法33条1項)を施行することは、同法34条3項の禁止規定に抵触せず適法である。
問題の所在(論点)
前回の選挙の効力に関する争訟が係属している場合に、任期満了に伴う次回の一般選挙(公職選挙法33条1項)を施行することが、同法34条3項に抵触し違法・無効となるか。
規範
公職選挙法34条3項により、選挙に関する争訟の提起期間中および係属中に行うことができないとされる選挙は、同条1項に規定される再選挙等に限られる。したがって、同法33条1項に基づく任期満了による一般選挙については、前回の選挙に関する争訟が継続していても、その施行を制限する法的根拠はない。
重要事実
上告人は、以前に施行された選挙の効力について現に争訟が係属中であるにもかかわらず、本件選挙(任期満了に伴う一般選挙)が施行されたことは、公職選挙法および憲法に違反し無効であると主張して上告した。なお、本件選挙が公職選挙法33条1項所定の選挙であることについては当事者間に争いがない。
あてはめ
本件選挙は、公職選挙法33条1項に基づく任期満了による選挙であり、同法34条1項所定の選挙(再選挙等)ではない。同法34条3項が争訟係属中の施行を禁止しているのは、あくまで同条1項所定の選挙に限定されている。したがって、本件選挙に対して同法34条3項を適用する余地はなく、前回の選挙についての争訟が係属中であっても、本件選挙を施行することに違憲・違法の点はないと評価される。
結論
本件選挙の施行は適法であり、前回の選挙の争訟係属を理由に無効とすることはできない。
実務上の射程
選挙無効訴訟等が継続中であっても、任期満了に伴う次回の選挙は当然に執行されるべきことを確認した判例である。公職選挙法34条3項の禁止範囲を文言通り限定的に解釈しており、行政訴訟・選挙訴訟における執行不停止の原則に近い実務運用を支える判断枠組みといえる。
事件番号: 昭和35(オ)1110 / 裁判年月日: 昭和35年12月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】選挙管理委員会の措置が選挙法規に直接違反せず、かつ選挙の自由公正を害するものでない場合には、当該選挙の効力は否定されない。 第1 事案の概要:本件は、市選挙管理委員会が行った一定の措置(具体的な内容は判決文からは不明)の適法性が争われ、選挙人等がその違法を理由に選挙の無効等を訴えた事案である。原審…