判旨
選挙管理委員会の措置が選挙法規に直接違反せず、かつ選挙の自由公正を害するものでない場合には、当該選挙の効力は否定されない。
問題の所在(論点)
選挙管理委員会が講じた措置が、直接的な選挙法規の規定に抵触しない場合であっても、選挙の自由公正を害するものとして違法となり、選挙の効力に影響を及ぼすか。
規範
選挙管理委員会の行う措置の適法性については、第一に直接の選挙関係法規に違反していないか、第二に当該措置が選挙の自由及び公正を害する実質的な不当性を有していないかという二点から判断されるべきである。
重要事実
本件は、市選挙管理委員会が行った一定の措置(具体的な内容は判決文からは不明)の適法性が争われ、選挙人等がその違法を理由に選挙の無効等を訴えた事案である。原審は、当該措置が選挙法規に違反せず、選挙の自由公正を害さないと認定していた。
あてはめ
本件における市選挙管理委員会の措置は、直接的に選挙法規に違反する事実は認められない。また、当該措置によって本件選挙の自由公正が具体的に損なわれたという事情も認められない。したがって、法規違反および実質的違法のいずれも認められないとした原審の判断は正当である。
結論
本件選挙管理委員会の措置は適法であり、選挙の自由公正を害するものではないため、上告を棄却し、選挙を有効とした原判決を維持する。
実務上の射程
選挙無効訴訟において、選管の事務執行の瑕疵を主張する際の基本枠組みを示す。条文形式的な違反だけでなく、自由公正を害するかという実質的観点からも検討が必要となるが、本判決は原審の事実認定を是認するにとどまるため、具体的な自由公正の侵害基準については他の重要判例(行政処分性の有無や裁量権の逸脱等)と併せて検討すべきである。
事件番号: 昭和35(オ)1105 / 裁判年月日: 昭和36年1月20日 / 結論: 棄却
投票所の設備が公職選挙法施行令第三二条に違反していても、選挙人がその自由な意思に従つて投票し選挙の自由公正が害されることがなかつたと認められる場合は、選挙を無効とすべきではない。
事件番号: 昭和42(行ツ)20 / 裁判年月日: 昭和42年4月15日 / 結論: 棄却
選挙人、候補者、選挙運動者等の選挙の取締りないし罰則違反の行為は、公職選挙法第二〇五条第一項にいう選挙の規定違反にあたらないものと解するのが相当である。