判旨
民事訴訟法399条1項2号(旧法)の規定は憲法32条に違反せず、裁判を受ける権利を侵害するものではない。
問題の所在(論点)
旧民事訴訟法399条1項2号の規定が、憲法32条が保障する「裁判を受ける権利」を侵害し、違憲といえるか。
規範
特定の訴訟手続上の規定が憲法32条に違反するか否かは、適正な裁判を保障するための合理的な制約であるかという観点から判断されるが、民事訴訟法上の上告棄却事由等に関する規定は、裁判制度の適正かつ円滑な運用を図る目的から合憲とされる。
重要事実
抗告人が、旧民事訴訟法399条1項2号の規定を憲法32条(裁判を受ける権利)違反であると主張し、あわせて憲法12条(自由・権利の保持責任)、14条(法の下の平等)違反を理由に特別抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
最高裁判所は、既往の大法廷判決(昭和23年3月10日)の趣旨に照らし、当該規定が憲法32条に違反しないことは明らかであると判断した。また、憲法12条および14条違反の主張については、その実質が単なる民事訴訟法違反の主張にすぎず、適法な抗告理由にあたらないと評価した。
結論
本件抗告は棄却される。旧民事訴訟法399条1項2号は憲法32条に違反しない。
実務上の射程
上訴制限や手続的要件の合理性を論じる際、裁判を受ける権利の絶対的無制約性を否定する根拠として引用可能。ただし、現行法下では条文番号が異なるため、裁判所の裁量的判断の許容範囲を示す一般論として活用すべきである。
事件番号: 昭和31(ク)28 / 裁判年月日: 昭和31年3月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告において、憲法違反を理由としない不適法な申立てに対し、原裁判所が却下決定を行うことは憲法32条に違反せず、民事訴訟法の規定に照らし適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所が昭和30年7月5日に行った決定に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、当該抗告の理由は憲…
事件番号: 昭和34(ク)321 / 裁判年月日: 昭和34年10月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】裁判所の権限や審級の定めは原則として立法政策に委ねられており、最高裁判所への抗告権を訴訟法上特定の事由に限定する裁判所法7条2号等は、憲法32条、76条1項、77条1項に違反しない。 第1 事案の概要:抗告人らは、最高裁判所の裁判権に関する規定である裁判所法7条2号が憲法76条1項および77条1項…
事件番号: 昭和34(ク)151 / 裁判年月日: 昭和34年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法32条は裁判を受ける権利を保障するが、具体的な裁判所の権限や審級等の制度設計は立法府の裁量に委ねられており、最高裁判所への抗告が法律で制限されていても憲法に違反しない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所に対する抗告を制限する法運用は、裁判所法7条2号を空文化させ、憲法32条(裁判を受ける…
事件番号: 昭和34(ク)45 / 裁判年月日: 昭和34年4月1日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】憲法32条は裁判所において裁判を受ける権利を保障するが、裁判所の組織や審級等は立法政策の問題である。したがって、最高裁判所への抗告が認められるのは、法律により特に許容された場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人が原決定(詳細は判決文からは不明)を不服として、最高裁判所に対し抗告を申し立てた事案…
事件番号: 昭和43(ク)451 / 裁判年月日: 昭和44年2月13日 / 結論: 棄却
(消極)