判旨
審理不尽や立証機会の剥奪という違法が認められない限り、裁判を受ける権利(憲法32条)の侵害を理由とする違憲の主張は認められない。
問題の所在(論点)
裁判所が審理不尽や立証機会の制限を行ったとされる場合に、それが直ちに憲法32条の裁判を受ける権利の侵害として違憲の評価を受けるか。また、本件においてそのような手続上の違法が認められるか。
規範
上訴審において裁判を受ける権利の侵害をいうためには、前提として原審の訴訟手続に審理不尽や立証機会の不当な剥奪といった重大な手続上の違法が存在することが必要である。
重要事実
上告人は、原審が審理を尽くさず、また上告人に立証の機会を与えないまま判決を下したと主張した。これが憲法32条の保障する裁判を受ける権利を侵害し、違憲であるとして上告を申し立てた事案である。
あてはめ
記録を精査しても、原審の手続において審理を尽くさなかった事実や、上告人の立証機会を不当に奪ったという事実は認められない。したがって、上告人が主張するような重大な手続上の違法は存在しないと解される。
結論
手続上の違法という前提を欠くため、裁判を受ける権利の侵害という憲法違反の主張は採用できず、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
手続的保障の欠如を憲法問題として構成する場合でも、まずは訴訟法上の違法の存否が先行して判断されることを示す。実務上は、具体的な立証妨害等の事実を特定しない限り、憲法違反の主張のみで上告理由を構成することは困難である。
事件番号: 昭和34(オ)565 / 裁判年月日: 昭和37年3月30日 / 結論: 棄却
不法行為の責任を判定するためにはいかなる権利が侵害されたかの権利の種別を明示することを要しない。
事件番号: 昭和34(オ)39 / 裁判年月日: 昭和36年5月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原審の認定しない事実を前提とするものや、実質的に原審の適法な証拠取捨・事実認定を非難するにすぎない場合は、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の事実認定に違法があるとして上告を申し立てた。しかし、その主張の内容は、原審が認定した事実とは異なる事実を前提とするものや…