判旨
第一審判決で摘示された事実が控訴審において双方代理人により陳述されている場合、当該事実に基づき判断を行うことは適法である。事実認定は原審の専権に属し、上告審での新たな事実主張に基づく非難は認められない。
問題の所在(論点)
民事訴訟において、第一審判決に記載された事実摘示が控訴審で陳述された場合、控訴審がその事実を基礎として判断を行うことは適法か。また、上告審において原審の事実認定を争うことができるか。
規範
判決における事実認定は、証拠に基づき原審の専権に属する事項である。また、第一審判決の事実摘示が控訴審で陳述された場合には、その事実は適法な審理対象となり、それに基づき準消費貸借の成否等の法律関係を判断することができる。
重要事実
上告人は、被上告人との間の契約成立の認定に誤りがあると主張し、また、第一審で摘示された準消費貸借の成立に関する主張について原審(控訴審)の判断に違法があると主張して上告した。記録上、当該主張は第一審判決の事実摘示に含まれており、原審において双方代理人によって陳述されていた。
あてはめ
本件契約が当事者間に締結されたという事実は、第一審が挙げた証拠に照らし合理的な認定である。また、準消費貸借の成立に関する主張は、第一審判決の事実摘示に記載されており、原審において双方代理人がこれを陳述している。したがって、原審がこの事実関係を前提に判断を下したことに手続き上の違法は認められない。上告人の主張は、原審で主張していない事実に基いて専権事項である事実認定を非難するものであり、失当である。
結論
本件上告は棄却される。原審の事実認定に違法はなく、第一審の事実摘示を陳述した以上、それに基づき判断することは適法である。
実務上の射程
控訴審における第一審判決の引用・陳述の効果を確認した事例。司法試験においては、弁論主義の観点から「主張の有無」が問われる際、第一審の主張が控訴審でどのように維持・更新されるかという文脈で、適法な事実の取り込みを肯定する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和31(オ)742 / 裁判年月日: 昭和33年5月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決文の記述が極めて簡潔であり、原審が適法に認定した事実及びその判断を正当として上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:本件の具体的な事案事実は、提示された判決文からは不明である。ただし、上告人が原審の事実認定や判断を不服として上告したという経緯が認められる。 第2 問題の所在(論点):上告…