判旨
裁判所が事実認定を行う際、特定の証拠だけでなく原判決が掲げる各証拠及び弁論の全趣旨を総合して判断することは適法である。
問題の所在(論点)
事実認定において、原審が特定の書証(甲第二号証)だけでなく、他の証拠や弁論の全趣旨を総合して事実を認定したプロセスに違法があるか。また、その事実判断が上告理由となるか。
規範
事実の認定は、証拠の証明力を総合的に評価し、弁論の全趣旨をも含めて判断されるべきである。特段の事情がない限り、原審が適法に提示した複数の証拠の総合評価によって導き出された事実判断は、上告審においてこれを維持すべきものとされる。
重要事実
上告人は、原判決における事実認定に違法があると主張し、特に甲第二号証の取り扱いや原判決が掲げる証拠に基づく判断を不服として上告した。しかし、本件判決文からは具体的な紛争の背景や個別の事実関係の詳細は不明である。
あてはめ
原審は、甲第二号証のほかに原判決が掲げる各証拠を総合して所論の事実を認定している。証拠の取捨選択や証明力の判断は事実審の専権に属するところ、原審の認定プロセスに不合理な点は認められない。所論の主張は、原審の適法な事実判断を単に非難するものにすぎず、採択できない。
結論
原判決に所論の違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、自由心証主義に基づく事実認定のプロセスにおいて、証拠の総合評価が適法であることを再確認したものである。答案作成上は、特定の証拠のみに依拠せず、証拠全体や弁論の全趣旨を総合して事実を認定することの正当性を基礎づける際に引用可能である。
事件番号: 昭和33(オ)123 / 裁判年月日: 昭和33年9月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、家屋の所有権帰属が争点となった事案において、原審の証拠取捨および事実認定に違憲や違法な点はなく、当該家屋が上告人ではなく被上告人の所有に属するとした判断を維持したものである。 第1 事案の概要:本件家屋の所有権の帰属をめぐり、上告人と被上告人が争った。第一審・控訴審において、証拠(D証人の…