判旨
本件は、家屋の所有権帰属が争点となった事案において、原審の証拠取捨および事実認定に違憲や違法な点はなく、当該家屋が上告人ではなく被上告人の所有に属するとした判断を維持したものである。
問題の所在(論点)
事実審による証拠の取捨および事実認定(本件では家屋の所有権帰属の判断)に、上告理由となるような違法または違憲の瑕疵が認められるか。
規範
事実認定および証拠の取捨選択は、原則として事実審の専権に属する事柄であり、その認定プロセスにおいて論理法則や経験則に反する等の特段の事情がない限り、上告審がこれを覆すことはできない。
重要事実
本件家屋の所有権の帰属をめぐり、上告人と被上告人が争った。第一審・控訴審において、証拠(D証人の供述等)に基づき、当該家屋は上告人ではなく被上告人の所有であるとの事実認定がなされた。これに対し、上告人は事実認定の誤りや違憲を主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、原審(控訴審)が行った証拠の取捨および事実認定は、掲げられた証拠に照らして肯認できると判断した。特にD証人の供述に関する判示についても不合理な点はなく、原審が本件家屋を被上告人の所有と認定した過程に違法はない。また、違憲をいう主張も、結局は原審の認定に副わない事実を前提とする非難にすぎず、採用できない。
結論
本件上告を棄却する。原審の認定どおり、本件家屋は被上告人の所有であると解される。
実務上の射程
民事訴訟における事実認定の専権に関する確認的な判決である。答案上では、所有権の帰属という主要事実の確定において、証拠に基づき合理的になされた事実認定は尊重されるべきという文脈で活用できる。ただし、本判決自体に特異な法理が含まれているわけではないため、民事訴訟法上の事実認定論の一般原則を補強する材料として言及するに留めるのが適切である。
事件番号: 昭和30(オ)83 / 裁判年月日: 昭和31年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】占有権に基づく請求において、占有の事実認定は原審の適法な事実確定に基づくべきであり、主張されていない事実や原審の認定に反する事実を前提とした上告理由は採用されない。また、予備的併合において主位的請求が認容された場合、予備的請求について判断する必要はない。 第1 事案の概要:被上告人が、本件建物の占…