判旨
原審において証拠の申出に基づき証人尋問および本人尋問が実施され、適切に証拠判断がなされている以上、訴訟法違反の違法は認められない。
問題の所在(論点)
原審における証拠調べの手続および証拠判断に、民事訴訟法上の違法または憲法違反(実質的な訴訟法違反)が認められるか。
規範
裁判所が適法に証拠申出を採用し、尋問等の証拠調べを実施した上で、自由心証主義に基づき合理的な証拠判断を行っている場合には、手続上の違法は存しない。
重要事実
上告人は、原審における証拠調べや判断に違法がある旨を主張して上告した。具体的には、証人Dおよび上告人本人の尋問に関する事項や、憲法違反を包含する訴訟法違反を主張の根拠としていた。
あてはめ
記録および原判決によれば、原審は上告人が申し出た証人Dおよび上告人本人に対して適法に尋問を実施している。また、それらの結果を踏まえて証拠判断を行っていることが明らかである。したがって、上告人が主張するような証拠調べの懈怠や不合理な判断といった違法は認められず、憲法違反の主張も実質的には単なる訴訟法違反の主張にすぎないといえる。
結論
本件上告には理由がないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
本判決は、事実認定のプロセスにおいて適切な証拠調べがなされている限り、上訴審が原審の証拠判断を尊重することを確認したものである。実務上、証拠の採否や評価は事実審の専権に属するため、これを上告理由とするには、経験則・論理則違反等の具体的な違法事由を構成する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和32(オ)49 / 裁判年月日: 昭和33年5月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者が一度証拠調べの申請をした後にこれを自ら撤回した場合、裁判所が当該証拠の採用決定を取り消し、証拠調べを行わないことは適法である。 第1 事案の概要:上告人は原審において証人Dの取調べを申請したが、その後、自ら当該証拠方法を放棄した。これを受けて原審は、証人Dの採用決定を取り消し、その取調べを…