判旨
当事者間において成立につき争いがない証拠については、裁判所がそのまま事実判断の資料として採用しても、手続上の違法は認められない。
問題の所在(論点)
当事者間に成立の真正について争いがない証拠を、裁判所がそのまま事実認定の資料とすることの適否。
規範
民事訴訟法における証拠調べにおいて、当事者間に成立の真正について争いがない書証については、裁判所は特段の証明を要することなく、これを事実認定の資料とすることができる。
重要事実
上告人は、原審が甲第1号証を事実判断の資料とした点に違法があると主張したが、当該証拠は記録上、当事者間においてその成立につき争いがなかったものである。
あてはめ
本件における甲第1号証は、訴訟記録によれば当事者間に成立の争いがないことが認められる。したがって、原審がこれを成立に争いがないものとして事実判断の資料に供したことは、適法な証拠法則に基づく適正な措置といえる。
結論
原審が成立に争いのない証拠を資料としたことに違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
自白の対象とならない書証の成立の真正について、当事者間に争いがない場合(認否で「成立認む」とした場合)の取り扱いを確認する極めて基礎的な判例である。実務上・答案上は、争点整理の結果として証拠能力が備わったものとして扱う根拠となる。
事件番号: 昭和33(オ)313 / 裁判年月日: 昭和35年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が特定の者を代理人と認定する場合、証拠に基づいてその事実を認定すれば足り、当該認定に至る証拠理由の詳細までを判示する必要はない。 第1 事案の概要:訴外人が特定の人物の代理人であるか否かが争点となった事案において、原審は挙示の証拠に基づき、当該訴外人を代理人と認定した。これに対し、上告人は、…