判旨
準禁治産者が上告の申立てを行うには保佐人の同意を要し、裁判所の命じた期間内にその欠缺を補正しない場合は、上告は不適法として却下される。
問題の所在(論点)
準禁治産者が保佐人の同意を得ずに行った上告の申立ての適法性と、補正命令に従わない場合の帰結が問題となる。
規範
制限行為能力者(旧準禁治産者、現被保佐人)が訴訟行為を行う場合、民事訴訟法上の特別の定めがある場合を除き、保佐人の同意等の必要な授権を要する。上告の申立てという重要な訴訟行為についても、この同意の欠缺が補正されない限り、当該訴訟行為は不適法となる。
重要事実
上告人は旧民法下の準禁治産者(現在の被保佐人に相当)であった。上告人は本件訴訟において上告の申立てを行ったが、これについて保佐人の同意を得ていなかった。最高裁判所は、上告人に対し保佐人の同意の欠缺を補正するよう命じたが、指定された期間内に補正がなされなかった。
あてはめ
上告人は準禁治産者であり、上告の申立てには保佐人の同意を要する。裁判所が相当期間を定めて補正を命じたにもかかわらず、上告人はこの同意の欠缺を補正しなかった。したがって、当該上告申立ては訴訟能力(または訴訟行為に必要な授権)を欠く不適法なものと判断される。
結論
本件上告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
被保佐人が訴訟行為を行う際、民訴法32条1項の規定等により保佐人の同意が必要な場合において、その欠缺が補正されない場合の形式的裁判(却下)の処理を示す。実務上は、制限行為能力者の訴訟能力の有無を確認し、補正命令等の適切な手続を経る必要があることを示唆する。
事件番号: 昭和31(テ)11 / 裁判年月日: 昭和32年11月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】準禁治産者(被保佐人)による上告提起において、保佐人の同意という訴訟能力の欠缺が裁判所の命じた期間内に補正されない場合、当該上告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:上告人は準禁治産者(現行法の被保佐人に相当)であった。上告人は本件訴訟において上告の申立てを行ったが、その際、必要とされる保…
事件番号: 昭和31(オ)549 / 裁判年月日: 昭和34年9月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】実体上の権利に基づかない増歩登記(地積増加の登記)は無効であり、それにより不動産所有権を取得したとは認められない。また、不法行為者は民法177条にいう「第三者」に該当しないため、真実の所有権者は登記なくして所有権を対抗できる。 第1 事案の概要:上告人は、係争土地(無地番の山林)が隣接する自己所有…
事件番号: 昭和24(オ)305 / 裁判年月日: 昭和28年2月17日 / 結論: 棄却
本件の様に、上告人の代金額を定めない申入れに対し被上告人から代金額を定めた返答があり、これに対して上告人が代金額を争い、両三回に亘り被上告人から被上告人の定めた代金額を受諾すべき旨の申入があつたに拘わらず、上告人がこれに応じなかつた如き場合においては代金額の不一致により契約が成立しなかつたものと見るのが通常である。
事件番号: 昭和55(オ)624 / 裁判年月日: 昭和57年7月15日 / 結論: 棄却
係争土地の地上権者は、境界確定訴訟の当事者適格を有しない。