判旨
裁判上の和解が成立した場合、その内容に錯誤等の瑕疵がない限り、当該訴訟は和解によって終了する。
問題の所在(論点)
裁判上の和解に錯誤がある場合、当該和解によって訴訟が終了したといえるか。また、錯誤の有無が判断の分かれ目となるか。
規範
訴訟上の和解が有効に成立した場合、民事訴訟法上の効力として訴訟は当然に終了する。ただし、和解の意思表示に民法上の無効事由(錯誤等)がある場合には、和解の効力が否定され、訴訟は終了せず継続することになる。
重要事実
上告人は、本件訴訟においてなされた和解が錯誤に基づくものであると主張し、和解の無効を前提として訴訟の継続を求めた。原審は、当該和解に錯誤は認められないと判断し、和解により訴訟は既に終了していると結論づけたため、上告人が上告した。
あてはめ
本件において、原審の認定によれば本件和解に錯誤に基づく瑕疵は認められない。和解が有効である以上、和解の成立と同時に当該訴訟は当然に終了する。したがって、訴訟が終了したとする原審の判断に違法はない。
結論
本件和解には錯誤が認められないため、訴訟は和解により終了しており、上告を棄却する。
実務上の射程
裁判上の和解の終了効(訴訟終了効)に関する基本的な判例である。答案上は、和解に実体法上の瑕疵(錯誤、詐欺、強迫等)がある場合に、期日指定申立て等を通じて訴訟を継続できるかという文脈で使用する。本判決は、瑕疵がなければ終了するという当然の理を判示している。
事件番号: 昭和23(オ)72 / 裁判年月日: 昭和24年9月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】和解契約によって紛争を終結させた場合、後に精算して不当な点があれば返還するという特約の存在が認められない限り、和解の前提となった個別債権の有無や金額について改めて審理を求めることはできない。 第1 事案の概要:上告人らと被上告人の間に存在した紛争を解決するため、両者の間で和解が成立し、上告人らは被…