判旨
訴訟代理人がある場合には、当事者が死亡しても訴訟手続は中断せず、判決書において死者の名義で当事者を表示したとしても、判決の効力に影響を及ぼす不備はない。
問題の所在(論点)
訴訟代理人が存在する状況で、口頭弁論終結前に当事者が死亡した場合、判決書における当事者表記が死者の名義でなされても有効か(民事訴訟法124条2項の適用がある場合の判決の有効性)。
規範
訴訟代理人がある場合、当事者の死亡によっても訴訟手続は中断せず(民事訴訟法124条2項)、訴訟は引き続き繋属する。この場合、判決における当事者の表示が死者の名義でなされたとしても、その表示に欠けるところはないものと解する。
重要事実
被控訴人Dは、原審(控訴審)の口頭弁論終結前である昭和31年4月1日に死亡した。しかし、Dには訴訟代理人が選任されており、訴訟手続は中断することなく継続していた。その後、原審判決が出されたが、その当事者表示は生存者と同様に死者であるDの名義でなされていた。
あてはめ
本件において、被控訴人Dには訴訟代理人が存在したため、Dの死亡によっても訴訟手続は中断せず適法に継続していたといえる。手続が有効に継続している以上、判決書上の表示が便宜上死者の名義のままであったとしても、それは訴訟追行の結果を反映したものであり、判決の当事者表示として不適法な点はないと評価される。
結論
判決の当事者表示が死者の名義でなされたとしても、訴訟代理人が存在し手続が中断していない場合には適法であり、上告を棄却する。
実務上の射程
訴訟代理人の権限が当事者の死亡によって消滅しない(民訴法58条1項)ことを前提に、実務上、相続人への受継を待たずに判決を出せることを認めたものである。答案上は、当事者確定の基準や、死者を被告とする訴訟(不適法)と適法に繋属した後の死亡(本件)を区別する際に活用する。
事件番号: 昭和49(オ)590 / 裁判年月日: 昭和50年12月25日 / 結論: 棄却
旧国有林野法(明治三二年法律第八五号)施行前に大林区署が明治二四年勅令第一四四号大小林区署官制一条三号によつて付与された権限に基づいてした国有林野の境界査定処分の実体法規は、国有林野の境界査定処分に関する慣習法である。
事件番号: 昭和32(オ)563 / 裁判年月日: 昭和33年9月19日 / 結論: 棄却
被相続人の訴訟代理人であつた者は、被相続人の死亡による訴訟承継の結果、新たに当事者となつた相続人の訴訟代理人として訴訟行為をなすことができるものと解すべきである。
事件番号: 昭和32(テ)27 / 裁判年月日: 昭和33年5月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】準禁治産者が上告の申立てを行うには保佐人の同意を要し、裁判所の命じた期間内にその欠缺を補正しない場合は、上告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:上告人は旧民法下の準禁治産者(現在の被保佐人に相当)であった。上告人は本件訴訟において上告の申立てを行ったが、これについて保佐人の同意を得ていな…